国際環境NGOグリーンピースは、9月15日に関西電力大飯原発4号機が定期検査のために停止し、日本で稼働している原発がゼロになることを受け、下記の声明を発表しました。

(以下声明)

グリーンピース・ジャパン 事務局長 佐藤潤一
「1年2カ月ぶりに国内の稼働原発がゼロになります。東京電力福島第一原発事故から2年半、脱原発を求めて多くの市民が声を上げ、行動を起こしつづけてきた成果です。しかしながら、今でも東電福島第一原発では汚染水問題など危機的状況が続いています。日本政府には、原発の再稼働を急ぐのではなく、事故の収束と被害者の保護に全力を尽くすとともに、原発ゼロ社会を確かなものにするための政治決断を求めます。

一方で、すでに産業界や市民は自然エネルギーへシフトしています。例えば、2012年4月からの1年2カ月で自然エネルギー発電設備の導入量は335.9万キロワットも増加しました(注1)。世界的にも自然エネルギーの活用は大きく進展し、2012年には自然エネルギーの設備容量は前年比21.5%増加、4.8億キロワットを超えています(水力除く)。その中でも風力・太陽光発電は、それぞれ前年比で39%、26%と大きく伸びています(注2)。

稼働原発ゼロは、原発が必要ではないことを私たちに示しています。2011年にグリーンピースが発表した『自然エネルギー革命シナリオ』(注3)でも、2012年に稼働原発がゼロになった場合、2015年には発電量の20.3%、2020年には43%を自然エネルギーでまかなえるとしています。2度目の原発ゼロは、日本が自然エネルギー先進国となる大きな契機です。今こそ、省エネ技術と自然エネルギーの更なる導入に向けてアイデアと技術を持ち寄り、日本の得意分野で能力を大いに発揮する時です」

以上

注1) 2012年4月~2013年5月末の統計(2013年8月20日 経済産業省資源エネルギー庁 発表資料)
注2)『自然エネルギー世界白書2013』(REN21、2013年)
注3)『自然エネルギー革命シナリオ』(グリーンピース、2011年)



国際環境NGO グリーンピース・ジャパン