国際環境NGOグリーンピースは、東京電力福島第一原子力発電所の地上タンクから非常に高濃度の放射能汚染水約300トンが漏えいし、原発事故の国際評価尺度で重大な異常事象を示す「レベル3」との評価が検討されていることを受けて、下記の声明を発表しました。

(以下声明)

グリーンピース・ジャパン 気候変動/エネルギー担当 高田久代
「地上タンクから非常に高濃度の放射能汚染水が漏えいしている現状は、緊急事態である。300トンもの汚染水が漏れ出るまで事態を把握できなかった東京電力に、福島第一原発事故の対応能力がないことは明らかだ。日本政府が前面に立って汚染水を始めとする現在進行形の事故を一刻も早く収束させ、被害者の速やかな救済に、全力を投入するべきだ。

しかし、汚染水問題については責任の所在が明確にされていないばかりか、原子力規制庁は汚染水対策よりも多くの人員・会合時間を再稼働関連に費やしてきた。このような姿勢が、不十分な対策を見過ごすことにつながってきたと言える。政府は、目前に起こっている問題の拡大を食い止めることを優先し、原発の再稼働審査は中断すべきだ。

東京電力は地上タンクから漏れ出た汚染水が海へ流れ込んでいる可能性を否定しているが、これまでの同社の情報公開を振り返ればその信頼性は低いと言わざるを得ない。海洋は世界でつながっていることからも、東電福島原発事故は国際的な問題であり、不要不急の原発再稼働に取り組んでいる場合ではない。日本政府は、国内外への透明性の高い情報公開と、諸外国への支援の依頼など、あらゆる努力を行うべきだ」。

以上



国際環境NGO グリーンピース・ジャパン