グリーンピースは、原子力安全・保安院はストレステストの結果を評価する審査基準すらいまだに策定しておらず、その上複数の委員が原発産業から金銭を受け取ってきたことが報道されているなど、正当に評価を行える体制からは程遠いと考えます。さらに今回の聴取会は、前回まで行われてきた会場内での一般傍聴はできなくなり、別室でモニターを見る形式となっています。一方で東京電力は、福島第一原発事故の収束、避難、補償の先も見えない中、新潟県にある柏崎刈羽原発のストレステスト結果を保安院に提出し、これを保安院が16日に受理しています。
グリーンピース・ジャパンのエネルギー担当関根彩子は、「ストレステスト評価に関する一連の非妥当性は、再稼働が正当な審査では認められていないことを自ら露呈している。また本日の意見聴取会は市民排除で進められることになり、情報公開の点でも問題がある。政府はまず福島第一原発事故の原因を究明し、ストレステスト評価委員の再選出と評価基準の策定を行うまで、ストレステストの評価プロセスを凍結する必要がある」と話し、「日本が経験している深刻な放射能汚染は現在進行形であり、原発の再稼働を検討している場合ではない。政府は福島事故の収束、避難、補償を最優先すると同時に、福島第一原発事故の教訓を生かし、不要かつリスクの高い原発から持続可能かつ再生可能な自然エネルギーへと政策転換する決断が求められている」と続けました。
グリーンピースは停止中の原子炉の再稼働停止を呼びかけ、2012年の夏は原発が国内で一基も稼働していない「原発フリーの夏」を目指して活動しています。
参照)<共同プレスリリース>大飯原発3・4号のストレステスト評価提出の強行をしないこと。および、傍聴締め出しをしないよう市民団体が共同で要請(2012年1月17日)。
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