グリーンピース調査、中国の繊維工場から有害化学物質を検出 –『ダーティー・ランドリー ~衣料業界の不都合な真実~』レポート発表 <ご参考>以下は2011年7月13日にグリーンピース・インターナショナルが発表したリリースの日本語版です。
国際環境NGOグリーンピース・インターナショナル(本部:オランダ)は7月13日、『ダーティー・ランドリー ~衣料業界の不都合な真実~』レポート を発表し(注1)、アディダスやナイキなど世界的なスポーツ用品メーカーや大手衣料品メーカー(注2)と取引実績のある中国の繊維加工工場の排水から、人体や環境に有害な化学物質が検出されたことを明らかにしました。

今回の調査が行われた繊維加工工場は、長江と珠江デルタ地帯付近のYoungor Textile City Comlex社とWell Dyeing Factory Limited社の2社です。グリーンピースが実施した1年におよぶ水質汚染調査によると、重金属や、生体内に残留したり蓄積する恐れのある環境ホルモンなどが排水サンプルから検出され、人体や環境に対して長期間にわたる汚染の影響が懸念されると指摘しています(注3)。

グリーンピース・インターナショナルのキャンペーンコーディネーター、マーティン・ホイジックは、「レポートで発表した約30のブランドは、有害化学物質の使用や排出について製造工程の全体像をつかんでいないように見えます。問題解決のためには、企業がサプライチェーン全体をとおして有害な化学物質の使用を監視して削減し、最終的には“排出ゼロ”、つまり使用を中止していくための包括的な管理ポリシーが必要です。大手ブランドの影響力は大きく、トレンドを生み出すブランドであるからこそ、この問題においてリーダーシップを発揮してほしい。また、私たちは政府に対しても有害化学物質の排出をなくす規制を整えるよう訴えます」と述べました。

このレポートには、唯一の日本企業としてユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)が記載されています。グリーンピース・ジャパン担当者の高田久代は、「ファーストリテイリング社によると、Well Dyeing Factory Limited社とは短期間の取引がありましたが、現在は取引をしていないとのことです。グリーンピースは今後もファーストリテイリング社と良好なコミュニケーションを継続していくことで、これを機会に同社がさらに先進的な化学物質管理ポリシーを打ち出し、世界の大手メーカーをリードすることを期待します」と語りました。グリーンピースは消費者とともに、大手ブランドが有害化学物質のない未来を実現するリーディング・カンパニーとなるように働きかけを続けます。

注釈:
(注1) 『ダーティー・ランドリー』 全レポートと要約はこちら(英語)
(注2) 主要な世界的及び中国のスポーツ用品メーカー・大手衣料品メーカーリスト(レポート38ページ)
Abercrombie & Fitch, Adidas, Bauer Hockey, Calvin Klein, Converse, Cortefiel, H&M, Lacoste, Li Ning, Meters/bonwe, Nike, Phillips-Van Heusen Corporation (PVH Corp), Puma.
(注3) 有害化学物質の詳細はこちら(レポート78ページ 図4-3)

キャンペーンの詳細はこちら(英語)

お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン