福島第一原子力発電所で事故を起こした東京電力の株主総会が行われた東京都内のホテル前で、「脱原発と賠償で責任を!」などと書かれたメッセージを掲げました。
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは6月28日、福島第一原子力発電所で事故を起こした東京電力の株主総会が行われた東京都内のホテル前で、「福島の子どもたちを守って!」、「脱原発と賠償で責任を!」などと書かれたメッセージを掲げ、東電に対し原子力発電からの撤退を求めました。

本日行われた東電の株主総会では、個人株主402人が「原子力発電からの撤退」を求める議案を提出されています。総会に先立ち会場前に集まったグリーンピースのボランティアらは、「TEPCO: The worst Ever Polluting COmpany(最悪の汚染企業)」や「脱原発と賠償で責任を!」などと書かれた抗議のバナーやプラカードを掲げました。

グリーンピース・ジャパンの核・エネルギー問題担当の鈴木かずえは、「東京電力は子どもたちを避難させ、放射能を除染する責任を放棄しています。また、原子力発電からの撤退を拒否し、未来の子どもたちのために安全なエネルギーを選択することも放棄してしまいました。東電には企業として社会的責任を果たす能力は残っていません」と、原子力発電からの撤退を訴えました。

グリーンピースが原発事故後の4月に実施した放射能調査(注1)ですでに、国が指定した避難区域はもとより、福島第一原子力発電所から約60Km離れた福島市や郡山市などでも、高い放射線が計測されていました。しかし、子どもたちを含む多くの住民が、今もチェルノブイリ強制移住レベル(年間5ミリシーベルト)の何倍も汚染された地域に暮らしています。

また6月7日に実施した放射能調査(注2)では、福島市の公園、通学路など、子どもの生活圏のあちらこちらに数十マイクロシーベルトのホットスポットが存在することも明らかになりました。幼稚園の向かいの歩道にある雨どいの下では毎時35マイクロシーベルトが計測されています。現在、こうした汚染に対し、福島県民や県外からのボランティアによる除染や、福島県による除染計画が進められています。

鈴木は「福島県の子どもたちを避難させて、その間に放射能を除染すること。それを東京電力経営陣、そして株主がどうやって実現するのかを考えるのが事故を起こした企業として当然の責任ではないでしょうか」と訴えました。

注1)グリーンピースの放射能調査について

注2)福島市渡利地区で測定した放射線量データ

お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン