国際環境NGOグリーンピースは本日4月21日、福島第一原子力発電所周辺の海域に、同団体が所有する船「虹の戦士号」(オランダ船籍、555トン)を派遣し、海洋の放射能汚染を調査すると発表しました。「虹の戦士号」は、現在台湾沖を福島原発周辺海域に向け航行中です。グリーンピースは3月末から福島県内で2度の放射線調査を行っていますが、海洋調査を行うのは今回が初めてです。

グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「東京電力や原子力安全・保安院などの説明不足や、矛盾する説明に不安を抱いている被災者の皆さんに国際NGOという独立した立場で科学的なデータを集め、事実を伝えていきたい。また漁業者が東京電力などに補償を求めるときに必要なデータも集めていきたい」と趣旨を説明しました。

また花岡は、「福島第一原発から海に放出された放射能汚染水は、海の生態系を長期的に脅かす可能性があります。汚染の被害状況を客観的な科学データに基づいて国内外に配信することが、結果的に日本の漁業への風評被害を防ぐことになる」と続けました。

すでにグリーンピースは、19日付で日本政府に対して福島原発周辺の海域で放射線調査を行うための承認申請を提出しています(注1)。

現在の「虹の戦士号」は1989年7月10日に誕生した2代目で、数か月後には引退する予定です。グリーンピースは、災害に強い分散型の自然エネルギーと徹底した利用効率化の推進へ日本のエネルギー政策をシフトすることを訴えています。

注1)内閣総理大臣宛に提出した要請書(PDFファイル)

グリーンピース 「虹の戦士号」による海洋調査概要

お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン