国際環境NGOグリーンピースは、フランスの原子力企業アレバ社が、同国の核燃料工場で再処理した約1.2トンのプルトニウムを含む82体のMOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を4月上旬にもフランス、シェルブールから日本に向けて海上輸送することがわかったと発表しました。

今回の輸送されるMOX燃料には、福島第一原子力発電所3号機で使われる予定の燃料も含まれるとみられます。グリーンピース・ジャパン、気候変動・エネルギー問題担当の高田久代は、「地震と津波によって甚大な被害を受け、さらに非常に深刻な放射能漏れが続いている状況のなかで、新たな核燃料が日本に届くことになります。これは大きな危険を上積みすることで、到底理解できません」と訴えました。

このMOX燃料は、東京電力、中部電力、関西電力の3社がアレバ社に発注し、日本の原発から出た使用済み核燃料をフランスの再処理工場に運び、プルトニウムを取り出し燃料に加工したもので、福島第一原発3号機(32体)、浜岡原発4号機(30体)、高浜原発3号機(20体)で使用される合計82体が輸送される予定です。

フランスのシェルブールから日本へはこれまで、2010年4月、2009年3月、2001年と1999年の合計4回MOX燃料が運ばれています。

今回の震災は、原発がいかに致命的な危機を生み出すかを再認識させるものとなりました。グリーンピースは、リスクを背負い原発推進のエネルギー政策を続けていくのではなく、災害に強い分散型の自然エネルギー、そしてより先進的なエネルギー利用の効率化に政策を変更することを訴えています。

注釈)関西電力、中部電力は同日、輸送を当面延期するとの発表を行いました。詳しくは2011年3月25日のブログで

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