【3月8日 青森】 本日、青森地方裁判所でグリーンピース・ジャパンの佐藤潤一と鈴木徹に関するクジラ肉裁判(注1)の第2回公判が開かれました。本日より4日間、第2~5回の公判が連続開廷されます。

ズーム
入廷する佐藤潤一、鈴木徹と海渡弁護士
本日は、ダンボール箱に入っていたクジラ肉のやりとりに関わったとされる共同船舶の元船員(仮称:船員C)の証人尋問が行われました。本日の船員Cの証言によってさまざまな矛盾がさらに明らかになりましたが、その中でも重大なポイントは下記の2点です。

土産用の塩蔵ウネスは、若いクジラの柔らかくて良い高級ウネスを選んで加工していた。

これは前回の共同船舶の幹部証言と相反しています。幹部は、土産用のウネスは製品にする肉の余った切れ端で、安価な部分を船員が塩蔵していると証言しましたが、船員Cは高級な若いクジラのウネスを選んで土産にすると語りました。クジラ肉の販売から一定の利益が生じた場合、税金を国に返納する義務がある調査捕鯨事業において、これは明らかな不正といえます。
鯨肉横領の告発後、船員Cは共同船舶からの内部調査を受けたことは一度もない。

(財)日本鯨類研究所および共同船舶株式会社が、2008年7月18日付で水産庁へ提出した「鯨肉をめぐる問題についての報告書(注2)」では、横領について乗組員全員を対象とした内部調査を行ったと発表しており、本日の船員Cの証言と相反します。この内部調査が適切に行われていないとすれば、水産庁への報告が虚偽だったということになります
明日(3月9日)は、共同船舶の元船員であり、調査捕鯨船の不正行為を知る人と、グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一が証言台に立つ予定です。

(注1)クジラ肉裁判:2008年、グリーンピース・ジャパンの職員、佐藤潤一と鈴木徹が調査捕鯨におけるクジラ肉の横領疑惑を追及する中で、公的機関に告発するために横流しの証拠としてダンボール箱入りのクジラ肉を確保したことにより、同年7月11日に窃盗・建造物侵入罪で青森地裁に起訴された事件の裁判。

(注2)日本鯨類研究所プレスリリース「鯨肉をめぐる問題についての報告書」 日本鯨類研究所Webサイト

お問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン 広報 村上京子
グリーンピース・インターナショナル Communications Greg McNevin