本日、WWFジャパン、日本自然保護協会、グリーンピース・ジャパンなどの国内の環境NGOを中心に56の団体が共同で声明(注1)を発表し、沖縄県・辺野古への普天間代替施設建設が鳩山政権はじまって以来の大規模な環境破壊事業になると懸念を表明したうえ、その白紙撤回を求めた。

共同声明では、「辺野古・大浦湾地域は、日本にわずか十数頭ほどしか生息していない絶滅危惧種ジュゴンの限られた生息地であり、またアオサンゴの大群集に象徴されるように、豊かな自然生態系が残る海域です。最近では、エビ・カニ類の新種が36種も発見されています」と、建設予定地域に貴重な生態系が存在していることを取り上げて、その保護を求めた。

また、「気候変動枠組み条約への取り組み同様、生物多様性条約への取り組みにおいても強いイニチアチブを示し、かけがえのない豊かな沖縄の自然を守ることをはじめのステップとし、環境立国をめざす日本のリーダーシップを発揮することを強く期待します」と、環境問題解決に向けた鳩山首相のこれまでの前向きな印象と国民の期待、辺野古の建設計画決定で裏切らないよう釘を刺した。

グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳は、「年内に決着を急がないと決めたことは評価できるが、いつであれ結論が辺野古への基地建設なら認められない。ジュゴンが生きる辺野古・大浦湾の生物多様性を、2010年の国際生物多様性年に名古屋で国連生物多様性会議(COP10)を主催する政府が破壊する決定など、どう考えてもできるはずがない」と強調した。

ズーム
国家議事堂前で「SAVE THE DUGONG(ジュゴンを守れ)」のアピールをする米国学生ボランティアたち
同時に国会議員会館前では、米国、カナダなどの学生21名が集まって「SAVE THE DUGONG」(ジュゴンを守れ)というメッセージを掲げた。またグリーンピース・ジャパンでは、12月2日よりウェブサイト上で緊急の署名を集めており、鳩山総理大臣、岡田外務大臣、小沢環境大臣あてに「ジュゴンの海を破壊しないで!」とのメッセージが続々と寄せられている。

(注1)NGO共同声明 本文

(WWFのページ)「守ろう!ジュゴンの海 普天間飛行場の移設見直しを求める共同声明」


お問い合わせ: グリーンピース・ジャパン
広報 村上