国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、国内スーパーマーケット、デパートの大手小売や寿司、居酒屋のチェーン店を対象にクジラ肉の販売動向調査を行い、各企業はアイスランド産クジラ肉の販売に消極的であるとの結果を発表した。このたびの調査では、アイスランドの沿岸商業捕鯨を行う企業が日本の需要を見込んでナガスクジラの肉1,500トンの日本向け輸出を計画していることから、国内需要と各企業の動向を調べた。ナガスクジラはワシントン条約で絶滅危惧種に認定されている。

この調査は、クジラ肉を販売する可能性のある大手スーパーマーケットなど主な企業28社を対象に実施。10社から回答があり、6社が回答を控えると返答した。調査に回答のあった企業はすべて、アイスランド産クジラ肉を販売しておらず、取り扱いの計画もないとしている。クジラ肉の全般的な需要動向については、ダイエーは「減少」、イオンリテールは「微減」、_島屋とつぼ八は「横ばい」と答えている。また、昨年アイスランドからクジラ肉を輸入した日本の貿易会社の役員は今年5月、グリーンピースとの会話の中で、クジラ肉の需要がほとんどないため次の輸入は考えていないと発言した。

このたびの調査を行ったグリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の高田久代は、「クジラ肉の需要は微弱で国内企業には販売計画がなく、調査捕鯨によるクジラ肉の過剰在庫の上に、さらに国際的な批判も強いクジラ肉の輸入をする価値はほとんど見当たらない」とし、「アイスランド企業は日本に向けた来年の沿岸商業捕鯨計画を再検討する必要があり、日本政府は今月出港が予定される南極海調査捕鯨を、税金をムダづかいする公益事業として直ちに見直すべきだ」と訴えた。

今回のアンケート調査は、2009年10月8日から2009年10月30日に行われ、グリーンピースが電話とファクスで各社に問い合わせたもの。

資料)「2009年クジラ肉販売動向調査結果」 (PDFファイル640KB)

お問い合わせ: グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当 高田
広報 村上