【札幌発】5日から始まった「さっぽろ雪まつり」のすすきの会場で、ザトウクジラ、マグロ、イルカ、ウミガメ、ジュゴンが地球のまわりを泳ぐ氷の彫刻に、 訪れた国内外の多くの観光客が足を止めている。

「海が私たちの生命をささえ、その海の環境を守るために海洋保護区を作ることがとても大切だということを、会場を訪れる人と話し合いたい」とグリーンピース・ジャパンの棚橋さちよは初出展の意図を説明する。「気候変動や乱獲などの影響で海の環境破壊は急速に進み、ここに彫刻された海洋生物にも絶滅に瀕した種がたくさん含まれている。その破壊を止め、将来の子どもたちに美しく豊かな海を残すために私たちが活動していることをわかってもらえればうれしい。」

棚橋はまた雪まつりの参加者に、クジラ保護区に指定された南極海で日本が“調査”の名目で数ヶ月間に1000頭ものクジラを捕殺することを知っているかどうかも質問している。30代の女性は「調査なのだから10頭くらいと思っていた」と答え、40代の男性は「全然知らない」と意外な表情。

「南極海ではいま、日本の調査捕鯨船団が数百頭のミンククジラを捕殺し、加工し、冷凍保存している。この氷像に刻まれたザトウクジラも捕獲対象に含まれる(今シーズンは捕獲保留)」とグリーンピース・ジャパンで海洋生態系問題を担当する花岡和佳男は語る。「科学的な調査結果をほとんど出さず、売れ残り鯨肉の在庫量ばかりを増やしているこの調査捕鯨事業に毎年、多額の税金が使われていることを多くの人びとに知ってほしい。経済が危機に瀕する現在、こうした無駄が放置されていい理由はないはずだ」

グリーンピース・ジャパンの氷の彫刻「あしたの海」は、100基の出典作品が並ぶすすきの会場、駅前通りの中央付近に展示されている。なお、このところ南極海からのニュースで伝えられるシーシェパードとグリーンピースはまったく別の団体。グリーンピースは今シーズン、南極海にキャンペーン船を派遣していない。

グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題ウェブサイト

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