気候変動は待ってくれない
2008年12月9日

ズーム
2008年12月6日 Global Dayの日に、ポーランド西部ポズナニで気候変動に対してアピールするグリーンピースの若者たち
【ポーランド、ポズナニ】ポズナニで行われている、国連気候変動枠組み条約第14回締約国会議・京都議定書締約国会議(COP14・CMP4)が第2週目に入ったが、グリーンピースはいずれの参加国交渉担当者も気候変動の危機的状況を真剣にとらえていない様子に対し抗議する。気候変動問題の緊急性は科学的な根拠が定期的に発行されているにもかかわらず、多くの政府は何年も前と同じ立場をとり続けている。

「誰もが、誰かを待っているのだ。各国政府交渉担当官は、大臣の到着を待っているし、大臣はオバマ政権の登場を待っている。しかし気候変動の危機は誰も待ってくれない。進展なく過ぎていく毎日は気候変動の危機的状況の要因となる」とグリーンピース・インターナショナルのステファニー・タンモアは話す。

「多くの途上国が建設的になっているにもかかわらず、先進国はどこもリーダーシップを取ろうとしていない。唯一目に見えるリーダーは、最も小さな国で、最も多くの被害を受けるツバルである。ツバルは気温上昇幅を、工業化前に比べ、1.5℃に抑えるというビジョンを出した」とタンモアは加える。

大臣たちは12月11日(木)にポズナニに到着し、「ビジョンの共有」について話し合う予定。そこでは気候変動の大惨事を防ぐための野心的な目標を掲げ、来年末にコペンハーゲンで開かれるCOP15・CMP5で合意できるグローバルな取り決めの要素を設計しなければならない。しかし、これに関して、合意できる要素はありそうもない。先進国が次期枠組みの削減目標を提示したがらないからである。

「気候を守るために共有できるビジョンは、何もないようだ。現時点で語られていることは、欠陥のあるビジョンとでもいえるだろう。オーストラリア、カナダ、日本はエネルギー大量消費者の短期的利益の視点を越えることができず、今すぐにでも起きるであろう危機的な状況に目をつぶっているようだ。彼らは、1年前に合意した削減目標から、どうしても逃げようとしている」とタンモアは語る。

多くの国は米国の次期大統領となるオバマ氏が就任し、アメリカが正式に国際交渉に復帰するまで、様子見をしながら待っている。

「先進国全体が“アメリカが戻ってくるまで待たなければ”という態度をとり続けおり、この問題に真剣に取り組んでいるようにはとてもみえない。」

「このせりふを7年も聞かされていると、これは言い古されたお題目となってしまった。バラク・オバマ氏は数週間のうちに大統領に就任するが、その一方で彼は温暖化担当チームをポズナニに派遣し、この気候変動国際交渉に復帰するという強いシグナルを出している。国際社会もそれを信じ、待つことをやめ、交渉を進展させるよう、早急に仕事に取り掛かり始めるべきである。」

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
気候変動/エネルギー問題担当: 鈴木(真奈美)、黒子
広報: 成沢