日本の調査捕鯨船団に違法船! ――パナマ政府が給油船の船籍を剥奪
2008年10月28日

ズーム
南極海から戻り大井埠頭に接岸するオリエンタル・ブルーバード号 2008年3月
【アムステルダム】 南極海で日本の捕鯨船団に給油を行い、鯨肉を日本まで輸送していたパナマ船籍のタンカー、オリエンタル・ブルーバード号に対し、パナマ政府は同船の南極海での活動がパナマ法に違反するとして罰金を課し、同船のパナマ船籍を剥奪した。

パナマの環境保護団体やグリーンピースの調査を受け、パナマ政府が同船の行動を国内および国際条約に照らし合わせて審査した結果、国際海上人命安全条約や船舶による行為から環境を守るための国際条約など4つの条約への違反が明らかになった。パナマ政府は最大級の罰金額、10,000バルボア(US$10,000)の支払いを命じ、船籍剥奪を決定。

オリエンタル・ブルーバード号は昨年1月、南極海海上で捕鯨船団へ給油後、捕鯨母船から加工された鯨肉を受け取り、日本まで輸送。しかし同船は旗国パナマで給油船としての登録しかなく、また日本では捕鯨船団の船としては登録されていなかったため、日本政府が同船を捕鯨船団に加えることは国際法上禁止されていたことになる。

「今回のパナマ政府の決断を歓迎する。日本政府も同様の国際法にのっとった決断をすべきだ」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の花岡和佳男は語り、「調査としての価値もなく、商業としても成り立たず、さらに違法船籍まで使っている南極海での捕鯨を即刻中止するのに、これ以上どのような証拠が必要だろうか」と強く疑問を投げかけた。

南極海の捕鯨には、毎年5億円以上もの国庫補助金と、毎年数10億円の無利子融資が投入されており、今年度は新たに約8億円もの税金が「鯨類捕獲調査円滑化事業」として加えられた。

オリエンタル・ブルーバード号に関しては下記の2008年3月21日プレスリリースをご覧ください。
「調査捕鯨の鯨肉の日本持ち込みはワシントン条約違反――グリーンピース、無許可の鯨肉運搬船の緊急調査を要求」

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当 花岡和佳男
広報マネージャー 城川桂子