青森地方検察庁は、窃盗および建造物侵入の疑いで起訴し身柄を拘束していたグリーンピース・ジャパン職員2人を、昨日深夜、保釈した。

グリーンピース・ジャパン職員の佐藤潤一と鈴木徹は、調査捕鯨母船・日新丸の乗組員が横流しして自宅へ送っていた鯨肉をつきとめ、その1箱を横領の証拠品として確保した。この件で、2人の行った調査と証拠確保の方法が窃盗および建造物侵入にあたる疑いがあるとして、青森県警と警視庁公安部は6月20日に2人を逮捕し、7月11日、青森地方検察庁は起訴に踏み切った。2人は6月20日の逮捕から7月15日の釈放まで、計26日間勾留されていた。

南極海調査捕鯨は過去20年間にわたり、毎年5億円の国庫補助金が投じられている公益事業だ。グリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一と職員の鈴木徹は、調査捕鯨の組織的な不正を明らかにするための証拠品としてクジラ肉の箱を確保したのであり、違法性が問われる不法領得の意思はなかった。

グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳は、「南極海の貴重な生態系を守るためにも、また日本の公益を守るためにも、捕鯨関係者によって隠蔽されている鯨肉横領スキャンダルの全容解明を求めていきたい」と語り、このたびの鯨肉横領発覚に際し、調査捕鯨に関わる水産庁、財団法人日本鯨類研究所、共同船舶株式会社の説明にそれぞれ食い違いがあったことについて、「われわれが告発した鯨肉に業務上横領の疑いが強いのは、複数の情報提供者の証言からも明らかだが、調査捕鯨船団の乗組員に配られるという鯨肉“お土産”の量・時期・値段などの不透明さについても、国内外からの批判は免れないだろう」と指摘した。

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