青森簡易裁判所が、6月20日に逮捕されたグリーンピース・ジャパンの職員、佐藤潤一と鈴木徹に10日間の勾留を決定したことに対し、2人の弁護人が昨日行った不服申し立ては本日、青森地方裁判所により棄却された。調査捕鯨鯨肉の捕鯨船乗組員による業務上横領を明らかにした佐藤潤一と鈴木徹はさらに9日間、青森県警に勾留され、取調を受け続けることになる。

一方で、佐藤潤一と鈴木徹の即時釈放をもとめる福田首相と高村外相に宛てた手紙への世界のひとびとからの署名は、開始後72時間で10万通近くにのぼり、世界28カ国の日本大使館に送られている。

手紙の内容は下記の通り。

福田総理大臣、高村外務大臣
拝 啓
鯨肉横領を追及した佐藤潤一と鈴木徹の逮捕に、強く抗議します。
2人は無実です。日本の納税者の財産である鯨肉は、東京地方検察庁に提出されました。2人は、鯨肉の入手過程についても隠さず明らかにしています。
鯨肉が提出された結果、東京地方検察庁は、鯨肉の業務上横領事件として調査を開始しました(注:なお、残念ながら6月20日夜、不起訴となったとの連絡が東京地検からありました)。この横領問題は、南極海での捕鯨関係者による税金の無駄遣いの規模の大きさと根深さについて深い疑惑を呼び起こしました。
この横領を追及した人を逮捕するということは受け入れられません。この逮捕は世界が注目する横領問題に日本政府が深く関与していることを示唆しています。
市民に対抗する勢力がいかに強力であろうと、政府の不正を明らかにしようと努めている人々が、威嚇や嫌がらせの対象になってはならないということは、民主主義の大原則です。
どうぞこの2人を釈放し、本当の悪人を追及してください。
敬 具

(署名)

ズーム
IWC会場に集まった「オーシャンディフェンダー」の子供たちとメッセージ。
「世界がこの事件を見ている」とグリーンピース・ジャパン事務局長、星川淳は語り、「佐藤潤一と鈴木徹を不当に長期間、勾留することは、G8サミットを控え、日本の民主主義の闇の部分を世界に公開するようなものだ。G8サミットに関し、福田首相はより良い世界を創る手本を示したいと語っている。そうであるならば、調査捕鯨船乗組員による不正を暴露した2 人への弾圧をやめることで、そのことを証明していただきたい」と語った。

お問い合わせ:
特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン
広報担当 城川桂子