製菓メーカー大手・明治製菓は、3月19日に行った自主回収(同社開発の甘味料GF2を使用した16製品)に関して、他にも自主回収すべき製品があるかどうかを訊ねたグリーンピースの質問に回答を拒否しているが、4月7日、消費者団体を含む17団体が同様の質問状を送付した。明治製菓はこれに対しても回答を拒否。「グリーンピース同様、返答はいたしません」と、消費者団体に答えた。

一方、東京都の中央区保健所生活衛生課生活衛生係は、グリーンピースが送付した3月28日付けの質問状に、4月8日と9日に書面で回答。これにより、保健所と厚生労働省との見解の不一致が明らかになった。以下、保健所と厚生労働省のグリーンピースへの回答。


中央区保健所生活衛生課生活衛生係からの回答

質問1:
問題となった「GF2」を食品に使用する食品メーカーは他にないのでしょうか?
回答:
商取引上の情報になりますので、直接、明治製菓株式会社へお問い合わせ下さい。なお、平成20年3月19日、厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課から、「二次加工品については、食品衛生法上違反とは読めない」との見解を東京都福祉保健局健康安全室食品監視課を通じ、うかがっております。

質問2:
GF2を食品に使用する、すべての食品メーカーとその商品を中央区保健所生活衛生課は把握していますか?
回答:
平成20年4月8日付けで、照会のあった「GF2を食品に使用する、すべての食品メーカーとその商品」について、当課では把握しておりません。


厚生労働省の見解
(上記の保健所の回答について、グリーンピースの電話での問い合わせに対する返答)

質問1:
(上記の)保健所の回答をどう受けとめるか?
厚生労働省:
保健所の返答には困惑している。『二次加工品については、食品衛生法上違反とは読めない』とは理解していない。問題となった甘味料GF2は遺伝子組み換え安全性審査の手続き上必要であった申請手続き漏れなので、この原料を使用したすべての食品が食品衛生法上の違反の対象範囲との見解を持っている。

質問2:
食品衛生法で違反が起きた場合、誰が管理するのか?
厚生労働省:
国内流通している食品の食品衛生法違反が起こったとき、違反のあった食品を管理・把握するのは管轄当局(この場合は中央区保健所生活衛生課)の役目である。


「保健所がGF2を食品衛生法上『違反とは読めない』としているのに対し、厚生労働省は『違反の対象範囲』としている。食の安全が叫ばれるなか、厚生労働省と保健所の見解がここまで見事に分かれていてよいものだろうか」とグリーンピース・ジャパン遺伝子問題担当の棚橋さちよは語り、「メーカーも消費者の問い合わせに答えを拒否。食の安全をまもるべき当事者がすべて責任を回避している状態はことの深刻さを物語っている。一刻もはやく改善されるべきだ」と訴えた。

グリーンピースと消費者団体は、4月15日(火)に明治製菓、厚生労働省、中央区保健所の3者に情報開示を求めて会合を開く。本日、3者への招待状を送付した。

中央区保健所からの回答 2008年4月8日分〔PDF 274 KB〕
中央区保健所からの回答 2008年4月9日分〔PFD 199 KB〕

招待状 明治製菓宛て〔PDF 147 KB〕
招待状 厚生労働省宛て 〔PDF 157 KB〕
招待状 中央区保健所宛て 〔PFD 156 KB〕

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お問い合わせ:
遺伝子組み換え問題担当 棚橋さちよ
広報担当 成澤薫