【沖縄】去る9月23日から、辺野古沖および大浦湾で海洋環境調査を行っていた国際環境保護団体グリーンピースは、本日、那覇で記者会見を開き、普天間代替施設建設のための事前調査用に辺野古沖の海底に設置されているパッシブ・ソナーなどの機材は、環境アセスメントの本来の目的に大きく矛盾するものであり、辺野古沖でのアメリカ軍の水陸両用戦車の運行は、絶滅危惧種指定のジュゴンの生息環境をすでに破壊している、と指摘した。

クリスチャン・プレイト(中)、ジョエル・スチュワート(右)、花岡和佳男(左)〜Greenpeace/Noda
「辺野古沖の海洋環境は、その環境が破壊されない限り、ジュゴンの生息に非常に適していることを確認した。しかし、アセスメント以前というのに、調査用の機材が海底に設置され、その横に水陸両用戦車の運行跡が刻まれているなど、海底では関係者間の調整の矛盾が露呈し、同時に破壊が進行している」と、調査団のひとり、海洋生物学博士で環境アセスメント専門家のクリスチャン・プレイト(ドイツ人)は語り、「動物や植物に影響がないことが証明されない限り、大型建造物の建設計画を許可しないのが環境アセスメントである。本来の環境アセスメントの一刻も早い実施が望まれる」と、語った。

また、26日から沖縄に訪問しているグリーンピースのキャンペーン船エスペランサ号の船長ジョエル・スチュワート(米国人)は、「アメリカの保護法では保護対象であるマナティと同目のジュゴンを、アメリカ軍基地建設で危険に晒してはならない」と語り、「絶滅危惧種に指定されているアラスカのホッキョクグマやトドなどの生息地域を破壊する建設は、アメリカ本国では許されないことであり、アメリカをはじめ世界中の市民から辺野古の基地建設反対の声が届いている」とアピールした。

調査には、グリーンピースのドイツ支部よりクリスチャン・プレイトなど3名、アメリカ支部よりメラニー・ドゥチン、日本支部より花岡和佳男など、合計5名が参加。9月23日から、地元の人々とともに辺野古沖の海に潜水し、昨日早朝まで調査を行った。グリーンピースが辺野古で海洋調査を行うのは今回が初めて。

星川淳グリーンピース・ジャパン事務局長〜Greenpeace/Noda
「ジュゴンの生息する辺野古周辺海域は海洋保護区に設定すべきだ」とグリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳は語り、「貴重な自然と生態系の豊かな沖縄の環境を守る地元の人々の支援を今後も続けて行きたい」と結んだ。

エスペランサ号は10月2日と3日、辺野古沖に停泊し、乗組員がゴムボートで浜辺に上陸。基地建設に反対する「ヘリ基地反対協議会」「命を守る会」の座り込みに参加した。エスペランサ号は台風接近のため、当初の予定を早め、10月4日に那覇港を出航。韓国に向かう。

関連サイト:
ジュゴンの海を海洋保護区に!

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特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当        村上京子