那覇港に入港したエスペランサ号(9/26)
【沖縄発】 国際環境保護団体グリーンピースは、本日那覇港に接岸したキャンペーン船エスペランサ号(2076トン、オランダ船籍)船上で記者会見を開き、10月4日までのエスペランサ号沖縄滞在期間中、辺野古および大浦湾海域の普天間飛行場代替施設建設計画に反対する地元の人々を支援し、同施設建設計画により生存が危ぶまれる辺野古周辺海域に生息する絶滅危惧種のジュゴンを守る活動を行う、と発表した。2005年3月の「虹の戦士号」訪問を含め、グリーンピースの船が辺野古周辺海域のジュゴンを守るために沖縄を訪れるのは今回で2度目。エスペランサ号はグリーンピース最大の船で、世界の海に海洋保護区のネットワークを設立することを求めて周航している。今回の訪問もその一環。

グリーンピースはまた、同団体のウェブサイトを通じて届けられた「ジュゴンを守ろう、アセス書は無効」という世界の人々からの2万8千通を超えるメッセージを、明日27日午前11時半に沖縄防衛局へ、東京では午後1時45分に環境省へ届けると発表した。このメッセージは、去る9月3日からグリーンピースがウェブサイトを通じて募集しているもの。27日朝、最終集計される予定。

グリーンピースは、2005年の「虹の戦士号」沖縄訪問時から、辺野古および大浦湾海域は環境省が絶滅危惧種に指定したジュゴンの貴重な生息海域であり、同海域への建設計画は海洋環境を著しく破壊するとして普天間飛行場代替施設建設計画の即時撤回を求めてきた。去る9月3日にも、同施設案即時撤回の要請書を防衛局に提出。また同要請書で、同施設建設用に防衛省が現在公開している環境アセスメント方法書は、環境省の管轄下にある「環境アセスメント法」の意図と精神を形骸化させ、大きな海洋環境破壊を許すものであるとして、撤回と無効化を求めた。

今回のエスペランサ号の訪問日程は、同アセス書に対する一般からの意見書が締め切られる27日に合わせたもの。

「短い期間のメッセージ募集であったが、絶滅危惧種のジュゴンが生息する海域を壊して建設しようとする基地計画への世界の反感は非常に大きい」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は記者会見で語り、「ジュゴンなどの貴重な海洋生物を守るため、辺野古周辺海域は海洋保護区に指定すべき」と結んだ。記者会見には、エスペランサ号が訪問する予定の各地域から地元の活動家も参加し、エスペランサ号の活動支援への期待を語った。


(左から)記者会見で発言するペリパッドいらない住民の会 共同代表 伊佐真次さん、泡瀬干潟を守る連絡会 共同代表 小橋川共男さん、海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会 代表委員 安次富浩さん
エスペランサ号は、9月29日(土)と9月30日(日)に那覇港で一般公開した後、10月1日に沖縄市の中城湾を訪れ、東門美津子沖縄市長や中城湾港泡瀬沖合埋め立て事業に反対する泡瀬干潟を守る連絡会の人々と意見交換をする予定。その後、同日辺野古沖に向かって10月4日まで停泊し、ヘリ基地反対協議会の人々の活動を支援する予定。エスペランサ号は10月5日、那覇港へ戻り、6日には韓国へ出航する。

グリーンピースのドイツ支部、米国支部、日本支部からのスタッフ5名は9月23日より辺野古湾で、地元の「リーフチェック研究会」によるサンゴ礁の調査活動に参加している。

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ジュゴンを守ろう

お問い合わせ:特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一(在沖縄)
広報担当  村上京子(在沖縄)
城川桂子(直通)03-5338-9800