沖縄の那覇港へ22日に入港予定だったエスペランサ号は悪天候などのため26日入港(予定)に延期されました。なお29日、30日の一般公開(オープンボート)は予定通り行います。
国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは本日、沖縄県那覇市にある沖縄防衛局を訪れ、防衛省が同局で公告している環境影響評価方法書を閲覧し、その後、方法書の撤回と無効化を求める要請書(注1)を同局に手渡した。今回の訪問は9月1日より那覇防衛施設局が沖縄防衛局に組織変更されたことに合わせたもの。グリーンピースはまた、同団体のキャンペーン船エスペランサ号(2076トン、オランダ船籍)が環境影響評価方法書への意見募集締め切り時期である27日にあわせて今月22日から沖縄を訪問し、辺野古および大浦湾海域の普天間飛行場代替施設建設を止めようと活動している地元の人々を支援すると発表した。

これが「環境影響評価方法書]
午後1時半、沖縄防衛局を訪れたのは、グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳、海洋生態系問題担当部長・佐藤潤一、海洋生態系問題担当・花岡和佳男ら4名。「要請書」では、辺野古および大浦湾海域は環境省が絶滅危惧種に指定したジュゴンの貴重な生息海域であり、同海域への建設計画は海洋環境を著しく破壊するとして建設計画の即時撤回を求めている。また、同施設建設のための環境アセスメント方法書は、環境省の管轄下にある「環境アセスメント法」の意図と精神を形骸化させ、大きな海洋環境破壊を許すものであるとして、撤回と無効化を求めている。


「基地建設をほぼ決定した上で、このような手続きだけを形式的にすすめる環境アセスメントは世界的なスタンダードから外れている。この方法書を認めれば、取り返しのつかない環境破壊を認めることになる。同海域は海洋保護区に指定すべき」と星川淳は言う。 さらに、グリーンピースは同日、日本をはじめ世界41カ国にある同団体支部のウェブサイトを通じ、世界中から「この環境アセスメント書は無効です」のメッセージの募集を開始した(注2)。メッセージ募集の締め切りは、防衛省が方法書への意見募集を締め切る9月27日の前日の9月26日とし、世界の人々から届いたメッセージは、9月27日に高村防衛大臣と鴨下環境大臣に届けられることになっている。

今回、沖縄を訪問する「エスペランサ号」は、2005年10月から2007年2月まで、南極海や太平洋、大西洋、地中海、インド洋などを周航し、海洋環境の破壊の現実を調査し、それを世界に伝えるとともに、世界の海に海洋保護区のネットワーク設立の必要性を訴えた。今年3月には横浜港へも入港している。グリーンピースでは、今年10月10日より、「海洋環境映像展2007“もうひとつの地球への旅”  グリーンピースの見た海」と題した展示会を横浜赤レンガ倉庫で開催し、エスペランサ号の航海中に撮影された短編ビデオと写真を無料で公開する。

「エスペランサ号」の沖縄滞在の予定は以下の通り。
9月22日   午前中 那覇港着岸、午前11時 船上記者会見
9月24日   辺野古で海上パレード
9月27日   防衛局へメッセージを届ける
9月29日   一般公開
9月30日   一般公開
10月1日   那覇港出航

グリーンピースは2005年3月にも同団体の「虹の戦士号」を辺野古に送り、辺野古沖への米軍基地建設に反対する地元住民の活動を支援し、「虹の戦士号」を通じて世界中から辺野古で基地建設に反対する人々への支援のメッセージを届けた。

注1:要請書

注2:メッセージ募集ページ

お問い合わせ:特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当        城川桂子