米国大手農薬会社モンサント社の開発による遺伝子組み換え殺虫性トウモロコシMON863は、今年3月、フランス・カン大学などの専門家チームの研究により毒性が確認され、その実験レポートが、米国専門誌( Archives of Environmental Contamination and Toxicology )に発表された ( 注 ) 。
同レポートでは、ラットを使った実験でMON863は肝臓と腎臓への毒性作用の可能性があることを明らかにしている。日本の食品安全委員会はこの研究資料に対し、第47回遺伝子組換え食品等専門調査会(2007年4月16日)は検討を行い、引き続き審議を行なうとしているが、日本では、2002年食品と飼料への使用が認可されている。したがって、MON863が現在流通している食品に使用されている可能性もある。
「現行の安全性評価は、フランス・カン大学などの専門家チームの研究結果によってシステムの不備が露見した」と、グリーンピース・ジャパン遺伝子組み換え問題担当の棚橋さちよは語り、「現行の安全性評価を早急に見直し、長期間の摂取を含めた安全性の審査が確立するまで、すべての遺伝子組換え食品に対する認可の停止をすべきである」と訴える。
グリーンピース・ジャパンの要請書でまた、現行の「遺伝子組換え食品表示法」は、消費者が遺伝子組換え作物由来の原料が使われている食品かどうか正しい情報が得られるよう改正すべきであるとしている。
同要請書に対し、厚生労働省医薬食品局食品安全部は、食品安全委員会の審議を待って検討する旨、グリーンピース・ジャパンに返答している。
「現在の表示基準では、コーン油やコーンシロップなど遺伝子組換えトウモロコシが使われている可能性が高い原料であっても、表示の対象外となっていて、消費者には分からない。安全性に問題がある食品の情報は消費者に正しく伝えられるべきである」と、棚橋さちよは語る。
グリーンピース・ジャパンの独自の調査で、遺伝子組み換え原料を使用していない食品と使用している食品を記載した『トゥルーフード・ガイド』は、昨年9月の発行以来、日本中の多くの消費者からの依頼が殺到し、増版を重ねている。グリーンピース・ジャパンはまた、「遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン」(東京)などの他団体とともに 遺伝子組み換え食品表示法の法改正を求める100万人署名活動を行なっている。
要請文 (PDFファイル : 8KB)
食品安全委員会 委員長 / 厚生労働省医薬食品局食品安全部 / 農林水産省 消費・安全局農産安全管理課 組換え体企画班・組換え体管理指導班 宛てに送付。
(注) 2007年3月13日付けグリーンピース・ジャパン プレスリリース 参照
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遺伝子組み換え問題担当 棚橋さちよ
広報担当 村上京子