【アンカレジ、アラスカ】 国際捕鯨委員会(IWC)の開始を明日に控え、世界各地でクジラの保護を訴える大規模なパレードが行われた。「ビッグブルー・マーチ」と題したこのパレードは、日本、欧州各国、オーストラリア、ニュージーランド、ガラパゴス、フィジーなど、世界の50以上の都市で行われ、数千人が参加した。


IWCが開かれるアンカレジ市では、ハリウッドスターのヘイデン・パネッティー、人気音楽専門テレビMTVのアナウンサー、オーストラリアのプロサーファーやアーティストなどの有名人が多数参加。グリーンピースの支援者、地元の環境保護団体、「クジラを守るサーファーの会」(注1)などと一緒にアンカレジ市内を行進。その後、市の中心で参加者全員が大きなクジラの人絵を作り、クジラの保護を訴えた。こうしたクジラの人絵でのアピールは先週、メキシコ市など数箇所でも行われている(注2)。


「世界各地のクジラの保護を求める声にIWCは答えなければならない」と、グリーンピース・インターナショナル事務局長、ゲルト・ライポルトは語る。

海洋汚染、混穫、過剰漁業、地球温暖化など、クジラの生態に与える海洋環境の悪化は深刻化する一方。 明日から一週間にわたって開かれるIWCには世界70カ国以上が参加するが、こうした海洋環境の悪化に関する討議に多くの時間が割かれておらず、会議は捕鯨地域、科学の名を借りた調査捕鯨がIWCの規則に違反するかどうかにのみ終始する。

「クジラの生態には多くの他の要因があるにも関わらず、IWCはいまだ商業捕鯨をめぐる論議に終始している。今回こそ、IWC参加者ひとりひとりが海洋の環境問題を深刻に捉え、IWCそのものを21世紀の地球の現状にあった討議機関としていくべき」とグリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は語る。

IWCは28日から始まり、31日に閉会する。

注1:  http://www.surfersforcetaceans.com

注2: クジラの人絵は空中芸術家John Quigley によって考案されたもの。

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佐藤潤一  グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当部長
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