横浜港に入港するエスペランサ号
国際環境保護団体グリーンピースのキャンペーン船エスペランサ号が本日早朝、横浜港に入港し、D突堤近くの錨泊海域に錨をおろした。同船は東京港入港を実質的に拒否され6日間八丈島沖で待機していた。

この入港は、グリーンピース・ジャパンのスタッフとエスペランサ号の乗組員が、数日間にわたり外交筋、国内外の組合、関係官庁や港湾当局などと折衝し、グリーンピースに協力していた船舶代理店の作業を中止させた全日本会員組合の問題(注1)の対処に当たり、通常の手続きを完了。当初不可能になったかとみられていた日本への入国が実現した。しかし、まだ埠頭の使用許可申請が済んでいないため今回は錨泊地までの入港となった。

「グリーンピースの船はこれまでに何度も日本を訪問している。エスペランサ号が日本に入国できるのは自然なことなのに、今回はその当然の権利すら理不尽な介入で奪われるところだった。ぜひ着岸させてエスペランサ号を一般に公開したい」とグリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は語り、「多くの人々がエスペランサ号の入港を支援してくれた。私たちの話し合いをしたいという姿勢が受け入れられたことはうれしい」と続けた。

エスペランサ号は、日本で数日間を過ごす予定。水産庁、(財)日本鯨類研究所などの捕鯨関係者を船上に招待し、日本政府の捕鯨計画についての話し合いを持つことにしているが、現在までに招待状への返事はない。

『なぜ日本は世界で一番クジラを殺すのか』(幻冬舎より3月30日発行)を発表したグリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳は、「拙著を送呈した日本の政府関係者から、『捕鯨問題の議論が限界に達しているのが非常に残念』、と添えた礼状を受け取った。この非公式なメッセージからも状況に変化を求める機運があることが感じられる。ただ、その話し合いの場を奪ってしまうような今回の全日本海員組合の対応は非常に残念」と語った。

エスペランサ号は日本政府の2006-2007年度の捕鯨期間中、7週間南極海を航行し、火災を起こした捕鯨母船日新丸近くに待機して、救援体勢を敷いた。エスペランサ号は搭載していたヘリコプターにより氷の状況を調査し、その結果を復旧作業中の日新丸に報告して安全確認を行っていた。

注1:エスペランサ号の東京湾入港にあたり、3月27日、グリーンピースの船舶代理店は全日本海員組合から圧力で入港手続きを中止せざるを得なくなっていた。

参考ページ:
「エスペランサ号の入港が困難な状況にあることについて」

高解像度写真

南極でのグリーンピースと捕鯨船団の会話(ビデオ)〜Greenpeace

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当        城川桂子
エスペランサ号船上
グリーンピース・インターナショナル広報 サラ・ホールデン
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