[写真]シドニー港に入るエスペランサ号 シドニー港に入るエスペランサ号 〜 Greenpeace/Daniel Beltra

【オーストラリア、シドニー】 国際環境保護団体グリーンピースのキャンペーン船エスペランサ号(オランダ船籍、2076トン)は、本日、オーストラリアのシドニー港に到着し、南極海での捕鯨の中止を求め、48時間後に日本に向け出航する。

エスペランサ号は、南極のロス海付近を航行し、同海域で2月15日未明火災を起こし航行不能となった日本の捕鯨母船日新丸とその乗組員の安全の確保と、火災からの環境への影響を監視するため、支援体制を敷いていた。その後、南極海から退去するまでの捕鯨船団に随行した後、本日、シドニー港に立ち寄ったもの。

「南極海での捕鯨について、その是非は日本の人たちが考えていくべきです」と、グリーンピースの海洋生態系問題担当カーリ・トーマスは語る。「今回、南極海で私たちが見てきた惨劇は、クジラ保護区で捕鯨を行っていること自体が問題であることに加え、新たな課題を浮き彫りにしました。犠牲者をともない、さらに南極の貴重な環境を危険にさらしてまでこの捕鯨を行うことを日本人が本当に望んでいるのかを知りたいと思っています」と、日本訪問への意欲を語った。

日本政府は日新丸を修理し、今年夏から捕鯨を続行する意向であると言われている。さらに冬には絶滅危惧種に指定されたナガスクジラの捕獲枠を50頭に増やし、新たに50頭のザトウクジラを捕獲する計画である。

「グリーンピースが火災を起こした船団に支援を申し出て以降、この捕鯨に関してのずさんな面が明らかになってきています。しかしながら、日本政府はグリーンピースをテロリストと呼ぶなどして議論のすり替えに終始しています」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は語る。

日新丸では過去9年間に2度も火災事故が起きている。今回の火災では乗組員一人の命が奪われたにもかかわらず、火災に関する情報の公開が十分行われているとは言えない。

「日新丸が緊急事態に陥っている間、南極海を航行する船同士で捕鯨問題の意見を超えた前向きな協力が実現できました。今回、日本でエスペランサ号を一般や政府・捕鯨関係者に公開することを通し、グリーンピースがテロリストではないことや南極の捕鯨の実態をみんなに知っていただきたい」と、佐藤潤一は語った。

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