【南極】国際環境保護団体グリーンピースのキャンペーン船「エスペランサ号」(オランダ船籍、2076トン)は、本日、火災を起こした捕鯨母船日新丸が北上するのをエスコートし、同船団が南極海海域から離れ、捕鯨予定海域から出るのを目視確認した。


日本の捕鯨船団と交信するグリーンピースの野田沙京
(エスペランサ号)〜Greenpeace/Beltra
今月15日未明の火災発生時点から船団と連絡を取っている「エスペランサ号」の乗組員野田沙京は、日新丸が南緯60度(日本の捕鯨船団の捕鯨予定海域北限)を通過した時点で、捕鯨船団に無線で次のように伝えた。

「皆様おつかれさまでした。南極海海上でお仲間を亡くされた皆さまのお気持ちを深くお察しします。また、夜を徹しての極寒の洋上での修理作業、本当にお疲れ様でした。同じく船に乗る者として私たちは皆さんの修理作業に敬意を表します。しかし、お一人の尊い命までも奪ってしまったこの南極海での捕鯨活動が本当に日本中の人たちから望まれているものなのか、もう一度考えてみる必要があると思います。南極海はすべての人のためにある貴重な自然です。南極海のクジラ保護区を皆さんと一緒にまもることができますよう、願っています。日本までの無事の航海をお祈りいたします。」

「日新丸は、捕鯨に加え、今回は人命を奪い、南極の貴重な環境へ脅威を与えた」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当部長の佐藤潤一は語る。「また、今回の火災によって鯨肉加工施設が使用できないことが帰国の理由のようだが、本当に調査を目的にしている船団であれば加工施設が使えなくても調査を続ける必要があるのではないか?いかに調査という言葉を隠れ蓑に使っているかがこういうところでも明らだ」と、続けた。

「エスペランサ号」は捕鯨船団が捕鯨区域に引き返さないことを確認できるまで同船団をエスコトートする予定。その後、「エスペランサ号」は、次のキャンペーンのためオーストラリアに向かう。

「エスペランサ号」からの野田沙京のブログをご覧ください。

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海洋生態系問題担当部長  佐藤潤一
広報担当         城川桂子
「エスペランサ号」乗組員 野田沙京