注)先日報道されました捕鯨船団へ化学薬品などを投げるなどをした環境保護団体シーシェパードと、 グリーンピースはまったくの別団体であり関係ありません。 グリーンピースは非暴力を活動方針としており、今回の火災事故に関しても捕鯨問題の意見の違いを超えて、 火災を起こした日新丸の救援にあたっております。
報道関係者の皆様においても、シーシェパードとグリーンピースを混同しない配慮をお願いいたします。
【南極海】本日、日本時間午前3時ごろ、国際環境保護団体グリーンピースのエスペランサ号(オランダ船籍 2, 076トン )は、南極海で15日未明に火災を起こした日本の捕鯨母船(鯨肉を加工し商品化する船)日新丸(日本船籍 8, 030トン)の災害現場に到着した。

エスペランサ号と日新丸
エスペランサ号(手前)と日新丸(遠方) 〜Greenpeace / Daniel Beltra
到着した当時、日新丸は捕鯨船(クジラを捕獲する専門の船)1隻とオリエンタルブルーバードという燃料補給船に挟まれ、周囲にはその他2隻の捕鯨船もいた。現在の天候は良好だが、現場海域には氷山や浮氷があるという。気象情報によると、今後数日のうちに天候は悪化する可能性が高い。

グリーンピース・ジャパンのスタッフでエスペランサ号に乗船している野田沙京が日新丸に無線で連絡を試みたが、応答はなかった。その後、捕鯨船の勇新丸に無線で連絡、エスペランサ号が救援に到着したことを繰り返し伝えたところ、グリーンピースに現場で待機し、周囲の氷山の状況を確認してほしいとの応答があった。

グリーンピースはその要請に応え、現在、エスペランサ号に搭載のヘリコプターによって周囲の氷山などの状況調査をはじめた。グリーンピースは昨日来、エスペランサ号で日新丸を南極条約が定める海域から脱出させるために必要ならば曳航する用意があることを伝えている。

その後午前11時ごろ、行方不明であった乗組員の死亡がエスペランサ号にも伝えられた。グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳は「お亡くなりになった乗組員のご冥福をお祈りし、このような悲劇が二度と起こらないよう望みます。捕鯨問題で見解の違いはもちろんあるが、グリーンピースは捕鯨船団が必要な救援活動に全面的に協力する用意がある」と語っている。

現在までの経過は以下のとおり(日時はすべて日本時間):

15日午前01時15分頃:日新丸にて火災が発生
15日午前01時45分頃:日新丸から救援信号をエスペランサ号が受信し、エスペランサ号がすぐ応答。
15日午前03時40分頃:ニュージーランドの救援コーディネートセンターから待機の要請が入る。救援が必要な場合に備えて、現場付近で待機するため現場に向かう。
16日午後02時00分 :グリーンピース・ジャパンの事務局長・星川淳が南極条約管轄の環境省に南極での大災害を避けるためいち早く南極から退避させるように要請。
17日午前03時00分頃:エスペランサ号災害現場に到着。救援活動を開始。
17日午前11時00分頃:行方不明であった乗組員の死亡が確認。

エスペランサ号クルー野田沙京のブログ
ビデオ(YouTube)
現地からのライブカメラ映像(WebCam)

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当        城川桂子
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