自然エネルギーで 2050年までにCO2排出を半減! ――グリーンピース、世界エネルギーシナリオを発表

〜 Greenpeace

【ブリュッセル、ベルギー】グリーンピース・インターナショナルと欧州自然エネルギー協議会(EREC)[注1]は25日、『エネルギー[r]eボルーション―― 持続可能な世界エネルギーアウトルック 』 (energy [r]evolution: A Sustainable World Energy Outlook)[注2]を発表し、自然エネルギーで2050年までにCO2排出を半減できることを示した。

『エネルギー[r]eボルーション』は、2050年までに世界の一次エネルギー需要の半分を自然エネルギーでまかなうことにより、二酸化炭素(CO2)の排出量を2000年レベルから半減しつつ、エネルギーの安定供給と世界経済の着実な発展が可能であるとし、また原子力発電の段階的廃止と化石燃料消費の大幅削減も実現できることを示している。CO2を回収して地中や海洋に捨てる、いわゆる貯留も不要。

調査と分析にあたったのは、ドイツ航空宇宙センター(DLR)[注3]をはじめ各国の研究者、エンジニアなど約30名。このうち日本についての調査分析は、環境エネルギー政策研究所(ISEP)[注4]が担当した。

今後、既存のエネルギー供給システムや発電所の多くは建替えの時期に向かい、経済成長の著しい地域では新設ラッシュがはじまる。

「各国がどのような技術を選択するかによって、エネルギーの未来はまったく変わってくるだろう」と、グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳は語り、「ここでさらなるエネルギー消費拡大や原発増設に踏み出し、今世紀後半まで乗り換えのきかないインフラを構築したら、事実上、持続可能な選択肢は消えてしまう。政府・民間を含むあらゆるレベルの決断が、いま必要なのだ」と、問題の緊急性を強調する。

国際エネルギー機関(IEA)は2004年の『世界エネルギーアウトルック』で、エネルギー動向が現状のまま推移した場合、2030年までに世界のエネルギー需要とCO2排出量は2000年レベルの1.5倍になると予測している。『エネルギー[r]eボルーション』は、このIEAの見通しをもとに、自然エネルギーやエネルギー利用効率化などの積極的な導入を盛り込んだ、もうひとつのシナリオを描き出した。その柱となるのは下記の3点。

消費・生産・配給の全般にわたるエネルギー利用効率の大幅向上
エネルギーの生産地と消費地の距離短縮
地域で入手できる、環境に負荷を与えない燃料の最大利用
「われわれは安全で確実なエネルギーの道があることを示した。自然エネルギーは競争力がある。各国政府には汚染者負担原則を採用し、化石燃料や原子力発電への優遇措置を2010年までに廃止することを求めたい」と、グリーンピース・インターナショナルの気候/エネルギー問題担当スベン・テスケは述べる。

注1: http://www.erec.org
注2: http://www.greenpeace.org/energyrevolution(英語版)
注3: http://www.dlr.de/
注4: http://www.isep.or.jp/

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-981
エネルギー問題担当 鈴木真奈美
広報担当 城川桂子
グリーンピース・インターナショナル、
気候/エネルギー問題担当 スベン・テスケ(英語)