【レイキャビク、アイスランド】アイスランドの首都レイキャビクで、絶滅危惧種に指定されているナガスクジラの骨と内臓が埋立処分場にゴミとして捨てられていることが明らかになった。国際環境保護団体グリーンピースが発見した179トンにも及ぶとされるこれらナガスクジラの骨と内臓は、アイスランドが昨年末までに捕獲したナガスクジラ7頭の総体重の約半分にあたる。同国には現在200トンのナガスクジラの肉と脂身が汚染調査のために冷凍保管されている。

「アイスランド政府は、『商業捕鯨は持続可能なものだ』と主張するが、アイスランド国内に需要はない。絶滅危惧種を捕獲していることをどう正当化するのか?」と、グリーンピース北欧支部のフロド・プレムは語る。

アイスランドは自国内での鯨肉の需要が少なくなっているが、日本への輸出に大きな期待をかけて昨年、商業捕鯨を開始した。日本の過剰な期待を与える態度が、無用に絶滅危惧種の商業捕鯨を推進してしまっている構図が明らかになりはじめた。

「水産庁や日本鯨類研究所は『90%の日本人が商業捕鯨に賛成』とのWeb投票を引き合いに出し、”捕鯨支持の高さは鯨肉の潜在需要と同じ”とばかりに捕鯨国を商業捕鯨再開に踏み切らせてしまっている。しかし、日本では調査捕鯨の副産物(鯨肉など)すら消化できずにいることは、農林水産省の流通統計からも明らかだ」とグリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は語り、「国際的に絶滅危惧種に指定されているクジラが”日本人のために”捕殺されるのを支持する日本人は少ないだろう」と続けた。

日本の捕鯨船から出荷される鯨肉 〜 Greenpeace

アイスランドでは、日本政府が今月末にもこれらの鯨肉の輸入を開始すると言われており、日本政府の動向が注目される。

また、グリーンピースのキャンペーン船「エスペランサ号」は、南極海のクジラ保護区で行われる日本の”調査捕鯨”を調査し、その実態を世界に知らせるため今週、ニュ-ジーランドを出航する予定。

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