本日、沖縄県名護市で開催される太平洋・島サミットの会場で、「違法伐採木材輸入をやめて」と書かれた横断幕が広げられ、会場に到着する参加各国首脳の目に止まった。これは同サミットの議題に違法伐採対策を議題として取り上げるよう要求している国際環境保護団体グリーンピースのスタッフ二人が行ったもの。グリーンピースのスタッフ二人は数人の会場警備員に尋問を受けた。

日本、パプアニューギニア、オーストラリア、ニュージーランドなど14の参加国はこれまで太平洋地域の違法伐採に対処する旨を表明しているにもかかわらず、具体的な対策が取られておらず、実質的に同地域では違法伐採が横行、参加各国間で取引が行われている。環境問題を議題のひとつとする同サミットでもこれまで違法伐採対策は取り上げられていない。しかしながら、本日のNHKのニュース番組「おはよう日本」は、「今回の会議で日本政府は環境問題の解決に向けて(中略)違法な森林伐採の防止対策への資金援助など具体的な支援策を打ち出すことにしています」と、報道している。

「日本とパプアニューギニアが共同議長を務める今回のサミットは、違法伐採対策への認識を示しながらこれまで何も実行してこなかった日本政府にとって具体的な対策を話しあう絶好の機会」とグリーンピース・ジャパンの森林問題担当尾崎由嘉は語る。「両国首脳は、パプアニューギニアで深刻に進む違法伐採の実態を確認し、取引の停止を具体的に話あうべきである」と尾崎由嘉は語る。

パプアニューギニアにおける違法伐採は90%を超えるとの報告があるが、日本は同国産の木材の世界第2の輸入国。グリーンピース・ジャパンの森林問題担当尾崎由嘉は、会場に到着したパプアニューギニアのソマレ首相に対し「森林を守ってください」と直接訴えた。ソマレ首相は、それに対し小さくうなずいている。

環境問題のノーベル賞といわれるゴールドマン環境賞の本年度受賞者であるパプアニューギニアの弁護士アン・カジール氏もグリーンピースと同行しており、同日午後5時より、参加首脳が滞在するブセナ・テラス・ホテルでグリーンピース主催のレセプションに参加する。レセプションには参加各国首脳が招待されており、オーストラリア大使館からはレセプションに参加はできないが、違法伐採対策を促進する旨のファックスがグリーンピース・ジャパンに届いている。

グリーンピース・ジャパン「パラダイスフォレスト 救おう!原生林の未来を」ウェブサイトをご覧ください。

お問い合わせ
特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話03-5338-9800
FAX 03-5338-9817
森林問題担当  尾崎由嘉
広報担当 城川桂子