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国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、本日、横浜港金沢埠頭に停泊中の運搬船アルディアント号(インドネシア船籍)に対し、同船がインドネシアから輸送してきた合板は伐採方法が違法である可能性が高いとして、荷降ろしの即時中止を訴え、日本政府に対し違法に伐採された木材の輸入規制の実行を求めた。 グリーンピースのスタッフ4人は同船近くで、「この輸入木材の合法性を証明してください!」と小泉首相に宛てたメッセージを書いた横断幕を掲げた。

本日、アルディアント号から横浜港に荷降しされた木材はインドネシアの伐採企業「カユ・ラピス・インドネシア」社製の合板で、同社は伐採権が許可されていない地域で伐採される木材など、来歴が不明な原木を加工し、合板として生産していることをグリーンピース東南アジアが明らかにしている。グリーンピースの合法性証明の要請に対し、林野庁は「インドネシア政府に問い合わせ中」と答えており、インドネシア政府は現在、同社生産の木材原料の合法性を調査中である。

「林野庁もインドネシア政府も調査中としているにもかかわらず、ここ横浜港で荷降ろしが行われ、日本の市場への流通が放置されているが、消費者は違法に伐採されたものを求めていない(注1)」と、グリーンピース・ジャパン森林問題担当の尾崎由嘉は語る。「日本政府は、木材輸入業者に対し、伐採方法の合法性と、伐採企業が環境や社会的責任を果たしていることの証明を義務付けるべき」と続ける。

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グリーンピース東南アジアは、「カユ・ラピス・インドネシア」社のヘンリンソン・イリアナ工場(インドネシア、パプア、ソロン)が違法に伐採された原木を使用していることを確認し、調査報告書「森林破壊の犯罪 クライムファイルII」(注2)として発表した。報告書では同工場の使用する原木は、2002年に53%、2003年に74%、2004年には70%が、合法性が疑わしく、産地が特定できない原木であるとしている。

「本日横浜港で降ろされる合板はインドネシアの原生林を破壊して作られている。破壊的に伐採された木材から生産された合板の輸出入が規制されなければインドネシアの原生林は20年以内に消滅してしまう」と、グリーンピース東南アジア森林問題担当のハプソロは語る。

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日本はインドネシア産合板の最大輸入国。インドネシアが輸出する合板の60%が日本の市場に流通している。「カユ・ラピス・インドネシア」社製の合板の主な購入企業はサン建材株式会社、三井住商建材株式会社、トーヨーマテリア株式会社など。三社とも、アルディアント号が今回積載する合板の取り引きはないとグリーンピース・ジャパンに回答している。グリーンピース・ジャパンは三社に対し、アルディアント号以外が積載する合板も違法伐採問題に関わる可能性が高いものであり、FSC認証(注3)の基準に沿って生産された製品のみを購入するよう求めている。アルディアント号が今回積載する合板の一部は、双日株式会社が輸入元である。

注1:「木材の輸入に関する生活者意識調査」
注2: 調査報告書「森林破壊の犯罪 クライムファイルII」(PDFファイル 2MB)をご覧ください。
注3: FSCとは、Forest Stewardship Council(森林管理協議会)という、1993年に設立された非営利の国際的森林認証機関。本部はドイツ・ボンにあり、環境保全の観点に立って、適切な森林管理を支援する。

横浜港での 高解像度写真 をダウンロードできます(午後2時以降)。

グリーンピース・ジャパン「パラダイスフォレスト 救おう!原生林の未来を」ウェブサイトをご覧ください。

お問い合わせ
特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話03-5338-9800
FAX 03-5338-9817
森林問題担当  尾崎由嘉
広報担当 城川桂子