福岡市博多港須崎埠頭 2006年5月1日 〜 Greenpeace 2006

伐採方法の合法性が証明できないインドネシア製の合板を積載した運搬船が本日、福岡市博多港須崎埠頭に接岸したのを国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンが確認し、ただちに林野庁と博多税関支署に通報。輸入を中止するよう要請した(注1)。

この運搬船は、インドネシア、パプア、ソロン港で4月11日、インドネシアの伐採企業「カユ・ラピス・インドネシア」社製の合板を積載したアルディアント号(インドネシア船籍)。「カユ・ラピス・インドネシア」社は伐採権が許可されていない地域で伐採される木材など、来歴が不明な原木を加工し、合板として生産していることをグリーンピース東南アジアの調査が明らかにしている。ソロン港内での積載の現場はグリーンピース東南アジアのスタッフが目撃している(注2)。同船は韓国、浦項港を経由して本日、博多港に到着したもの。



アルディアント号から荷下ろしされたカユ・ラピス・インドネシアのロゴ(FUJI)の入った合板。 博多港から福岡県内へ輸送される (2006年5月2日博多港で撮影)〜Greenpeace 2006

グリーンピース・ジャパンは4月24日、環境省と林野庁に対し、同船に積載されている合板に使用されている木材の伐採方法の合法性と環境と社会的責任を果たしていることの証明を要請(注3)。林野庁は、4月28日、「インドネシア政府に問い合わせている」と返答している。

「関係官庁がいまだ産地の森林管理状況とその合法性を確認できていないにも関わらず、すでに博多港に大量の合板が到着している。合法性が証明されるまで輸入は中止すべき」と、博多でアルディアント号の接岸を確認したグリーンピース・ジャパン森林問題担当の尾崎由嘉は語る。

日本政府は2000年G8沖縄サミットで地球環境問題のひとつである違法伐採への取り組みを宣言しているが、いまだ違法伐採木材の輸入に対する規制は制定されていない。本日の博多港の事例は氷山の一角にすぎず、その輸入は実際的には野放しにされている。

グリーンピース・ジャパンでは引き続き、環境省、林野庁、博多税関支署に対してこの合板に使われている木材の伐採方法の合法性の証明と、証明されるまでの輸入中止をもとめている。 同時に、購入企業、サン建材株式会社、三井住商建材株式会社、トーヨーマテリア株式会社に対し、FSC(森林管理協議会)認証を得た製品の購入に切り替えるよう要請している。

注1:博多税関支署宛要請書 2006年5月1日付
注2: 4月11日プレスリリースをご覧ください。
注3:4月24日プレスリリースをご覧ください。

グリーンピース・ジャパン「パラダイスフォレスト 救おう!原生林の未来を」ウェブサイトをご覧ください。

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特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
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森林問題担当 尾崎由嘉
広報担当   城川桂子