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インドネシアから輸出のため運搬船に積まれた合板 〜 Greenpeace/Sewell 2006

国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンが行った「木材の輸入に関する生活者意識調査」で「生産国で違法に伐採された木材を輸入すべきでない」と考えている人が約8割に上ることが明らかになった ( 注1 ) 。

この調査はグリーンピース・ジャパンがアースデイに合わせ、 日本リサーチセンター に依頼して行ったもの。 本日発表された同調査結果では、違法に伐採された木材を日本が輸入することについては、「輸入すべきでない」という意見が約8割(79.8%)であることがわかった。また、約7割(67%)の人が違法伐採対策は輸出する側だけの問題だけではなく、輸入する日本も関知すべきと答え、日本側でも関係各省庁に積極的な対策を求めている。

現在、日本の木材需要の約8割は輸入材が占めているが、その輸入材が違法に伐採されたものでないことを証明する方法は確立していない。

「今回のアンケート調査で、日本の消費者が違法に伐採された木材の取り締まりを望んでいることが明らかになったが、4月より施行されたグリーン購入法では違法材の輸入規制は設けられていない」と、グリーンピース・ジャパン森林問題担当尾崎由嘉は語る。「グリーン購入法の下で開始されている政府木材調達に関するガイドラインでは、合法性の証明を要求しているが、その証明方法の信頼性と違法材排除の効果には疑問が残る」と指摘する。

それを証明するように、4月11日にはインドネシア最東端のパプア、ソロン港で、違法伐採された木材から生産された合板が、日本などへ向かう運搬船アルディアント(Ardhianto)号(インドネシア船籍)に積載されているところを現地のグリーンピースが確認。積載された合板はインドネシアの伐採企業「カユ・ラピス・インドネシア」社製のもので、同社が違法伐採された木材を使用していることをグリーンピースが明らかにしている ( 注2 ) 。

アルディアント号は5月上旬、日本の港で荷降ろしする予定で、グリーンピース・ジャパンでは本日FAXにて、日本政府と輸入企業であるサン建材(株)、三井住商建材(株)、トーヨーマテリア(株)に、この運搬船の調査、輸入停止を要請した ( 注3 ) 。

「NGOが違法性を調査できたからには、政府や輸入企業が違法性を調査できないというのは言い訳にすぎない。今まさに日本に向かっているアルディアント号を日本政府が調査するか否かで、日本政府の沖縄G8サミット宣言に盛り込まれた違法伐採対策が本当に真剣なものであったか否かがわかる。約8割の日本人が違法伐採材を輸入すべきではないと考えていることも十分に考慮し、この船を調査すべき。グリーンピースも協力していきたい」と尾崎由嘉は訴える。

注1
「木材の輸入に関する生活者意識調査」結果 (PDFファイル : 2822KB)

注2
プレスリリース「日本行き、違法伐採木材を使った合板積載の船を発見」 (2006/4/11)

注3
要請書
日本政府宛て
輸入企業宛て

グリーンピース・ジャパン 「パラダイスフォレスト ~救おう!原生林の未来を~」サイト

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森林問題担当  尾崎由嘉
広報担当 城川桂子