[写真] 〜 Greenpeace/Jeremy Sutton-Hibbert

国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、本日午後6時ころ、東京霞が関の経済産業省別館の壁一面に「STOP再処理」の文字の入った映像をスライドで投射した。これは、イラン・北朝鮮の核開発計画、米ブッシュ政権の使用済み核燃料の再処理再開路線など、核問題への視点が海外のみに向けられている中、日本の核の再処理施設が核拡散・安全性・経済性などの問題を放置したまま、ほとんど注目されずに一カ月以内にプルトニウムの製造に入る事態を批判し、核燃料サイクル事業を認可している経済産業省に文字通り”スポットライト”を当てたものである。

“スポットライト”が当てられた経済産業省では、今週も総合資源エネルギー調査会(2月13日)や原子力安全委員会(2月14日)が開かれ、今春初めに青森県六ヶ所村の再処理工場で行われる予定のアクティブ試験の計画が次々と承認されている。しかし、イランの核開発問題、ブッシュ政権の再処理計画再開の問題などに比べて注目度は低く、安全性・不用性・経済性の問題は、十分に知らされていない。

この六ヶ所再処理工場は、試験中だけでも4トン以上のプルトニウムを生産し、本格的に稼働すれば、毎年およそ8トンのプルトニウムを増やし続けるという「危険」な施設である。非核保有国である日本が世界で有数のプルトニウム大国へ大きな一歩を進めることになるとして海外からの懸念と批判が高まってきている。

またこの再処理工場は、これまでにない規模で放射能を環境中へ放出するほか、生産したプルトニウムは使い道がなく、操業から解体までに19兆円もの費用がかかる、危険でムダで不経済な施設なのである。

「日本国内にも重要な核問題が存在しており、放射能汚染、プルトニウムの生産が一カ月以内に現実のものとなってしまうことは広く知らされなければいけない。」と、グリーンピース・ジャパン核問題担当の野川温子は語り、「非核保有国である日本がこれだけの核物質を保有することになる再処理は、国際社会の核不拡散の努力を無駄にするものになる。ましてや、米国の核の再処理再開と歩調を合わせでもすれば、それは重大なことだ。」と、続けた。

[写真] 〜 Greenpeace/Jeremy Sutton-Hibbert

投射された映像には、放射能マークとリサイクルマークを重ね合わせたロゴが「ストップ再処理」の文字と共にデザインされている。 このロゴには、放射性物質を含んだ核燃料は“再処理”されても危険性は残ることを指摘し、“再処理”というあたかも何かが安全に処理されるかのような日本政府の言葉の裏に潜む危険性を注視するように、との意味が込められている。

グリーンピース・ジャパンは、ストップ再処理!シンポジウム「こんなものいらない! 危険、ムダ、不経済」と題して、来る2月19日に東京渋谷でシンポジウムを開く。21日には、14時から青森県へアクティブ試験の安全協定を見送るよう、要請する予定である。


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こんなものいらない!危険、ムダ、不経済 ~ストップ再処理!シンポジウム~

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核問題担当 野川温子
広報担当 城川桂子