[写真]ベルリンの日本大使館前に置かれたクジラの死骸
ベルリンの日本大使館前に置かれたクジラの死骸 〜 Paul Langrock/Zenit/Greenpeace

国際環境保護団体グリーンピースは、乱獲により生息数が激減したクジラの保護を世界各国で一斉に訴える「グローバル・アクション・デー」を行い、絶滅危惧種をも捕殺する日本の水産庁の調査捕鯨を中止するよう訴え、また、世界の人々に対し豊かな海を守るため「オーシャン・ディフェンダー(海を守る人)」になろうと呼びかけた。

「グローバル・アクション・デー」でアピールが行われたのは、極寒の南極海のクジラ保護区、アムステルダム、ベルリン、コルカタ、東京、オークランドなど世界約20都市。

ドイツのベルリンでは、バルト海に死んで打ち上げられた体長17メートルのナガスクジラを日本大使館の前に運び込み、「殺さなくてもこのように打ち上げられたクジラを調査することも可能である」と、アピールした。 南極海では、ナガスクジラなどの絶滅危惧種を含む捕鯨が日本の捕鯨船団により行われており、日本の水産庁はクジラに関する「生態系の調査」のための捕鯨、「調査捕鯨」であるとしているが、日本の市場に流されて、年々捕獲数が増えるなど事実上商業捕鯨になっている。南極海海域は「クジラ保護区」と指定されており、同海域で捕鯨を行っているのは日本の船団だけである。

氷山の上で人文字
氷山の上で人文字で HELP END WHALING 〜Greenpeace/Jeremy Sutton-Hibbert

同日、各国政府レベルでも、17カ国の政府が南極海のクジラ保護区をまもるために絶滅危惧種を含む捕鯨を直ちに中止するよう水産庁に要請文を送った。

この要請文に署名したのは、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、メキシコ、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国の17カ国。要請文は駐日ブラジル大使により、日本の農林水産省へ届けられた。

グリーンピースは昨年12月から世界の海洋生態系を守るため、「 100万人の大航海 ~豊かな海を引き継ぐために 」を行っており、南極海のクジラ保護区はその最初の訪問海域。本日の「グローバル・アクション・デー」は第一訪問海域での問題を世界にアピールしたもの。グリーンピースのエスペランサ号で、引き続き、約1年にわたり、世界の海を渡り、世界の海の40%を海洋保護区にしようと呼びかけるもの。世界の人々にこの航海にバーチャルで参加し、「オーシャン・ディフェンダー」になるよう呼びかけている。

[写真]水族館で「オーシャン・ディフェンダー」への参加を呼びかけ
水族館で「オーシャン・ディフェンダー」への参加を呼びかけ 〜 Greenpeace/M.Noda

日本でも、「グローバル・アクション・デー」の一環として、グリーンピース・ジャパンが東京都内の水族館で「オーシャン・ディフェンダー」への参加を観客に呼びかけた。

「日本を含めて、多くの国の人々が、『オーシャン・ディフェンダー』になってくれたことは大変うれしい。このような機会を通じて日本でも絶滅危惧種を含む捕鯨の問題を知ってもらいたい。」とグリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の高名瑞は語った。

詳しくは「 南極海での捕鯨の現実を知ってください~南極海のクジラ保護区から~ 」をご覧ください。


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