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【カナダ・モントリオール】 2013年以降の実効性ある温暖化防止国際制度の達成に向けた歴史的な合意を成立させ、カナダ・モントリオールで開かれていた京都議定書第一回締結国会議は本日閉幕した。この成果に関し、国際環境保護団体グリーンピースは京都議定書の締約国に賛辞を送った。

今回の主な合意事項は以下の通り。
京都議定書の第二約束期間(2013年-2017年)における温暖化ガス排出削減目標の新しいラウンドに関する緊急交渉の開始と、この交渉を「できる限り早く」完了させるための特別会合の設置が合意された。 これは、炭素市場の継続を確保し、新規のより高い削減目標が達成されるための政策措置を策定するために必要不可欠な要素である。

京都議定書では、議定書のレビューと改善を来年の会議で行うことになっているが、このための準備を即座に開始する。

開発途上国の地球温暖化対応策への支援の適応分野に関する5カ年行動計画が合意された。  これは、地球温暖化が世界の貧困層にすでに影響を与えており、今後数10年でさらに悪化するという事態に対処するための行動計画である。同計画の実行は、先進国の道徳的、政治的、かつ法的な責任である。

京都議定書実施に関する運用細則であるマラケシュ合意が議定書会合で正式に採択された。 これは、京都議定書実施の準備が完全に整った事を意味する。

予想されたことではあるが、ブッシュ政権は交渉の途中で退室するなど、会議のプロセスを失敗させようとした。しかし、米国以外の国々は、米国からの妨害を無視して会議を前進させた。今回、ブッシュ政権は会議の席に戻り国際社会と合意せざるを得なくなったのである。米国のNGO・市民団体が圧倒的な数をもって会議に参加したことがこうした結果を導いたことは言うまでもない。

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〜Greenpeace
米国は、任意ベースの効果のない「パートナーシップ」などを餌に、国連の温暖化防止枠組みから各国を離脱させるための試みを続けてきた。しかし本日、各国政府は、京都議定書の第二約束期間に関する実質的な協議を来年5月から開始する事に合意した。これは、より前向きな目標に向けて私たちが進んでいくというまぎれもないシグナルである。

「京都議定書は、今回の会議をもって大幅に強化された。この歴史的な京都議定書締約国第1回会議は、温暖化防止に取り組むことの緊急性をしっかりと認識した。ここで達成された合意は、長期的な取り組みに向けた道を切り開いていくことになるだろう」と、グリーンピース・インターナショナルの政策顧問であるビル・ヘアーは述べている。

「交渉開始当初は、日本政府の対処方針に大きな懸念を感じたが、今回の会議の大切な目的であった将来の取り組みに向けて、日本政府が相応の貢献をしたことは評価に値する」と、グリーンピース・ジャパンの気候変動問題担当 中島正明は述べ、「この前向きな姿勢をもって、京都議定書を確実に実施し、将来に向けて議定書の強化に貢献できるかどうか、日本政府の姿勢が問われている」と締めくくった。

参考ウェブサイト:
グリーンピースボランティアグループ「ソーラー・ジェネレーション」サイト
グリーンピース・カナダのCOP11/MOP1特設ウェブサイト

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気候変動問題担当 中島正明
広報担当     城川桂子