【カナダ・モントリオール発】地球温暖化防止の国際的取り組みの将来に非常に大きな影響を及ぼすと見られている国連気候変動枠組条約第十一回締約国会議(COP11)、および京都議定書第一回締約国会議(COP/MOP1)が、カナダのモントリオールで本日開幕した。グリーンピースはこの開幕日に、4メートルにもなる砂時計を会議場前で披露し、会議場に到着する政府代表団に、地球温暖化防止のタイムリミットが迫っていることを強くアピールした。危険な気候変動を防止できるかどうか、これから始まる2週間の交渉の結果が大きな鍵を握っている。

「地球温暖化はすでに始まっており、壊滅的な悪影響を回避するための時間はもうほとんど;残されていない。ここに集まる政府がただちに断固とした行動を取らなければ、私たちはブレーキの利かない暴走機関車に乗っているのと同じ状況になる」と、グリーンピース・インターナショナルの気候変動問題担当 ステファニー・タンモアは述べた。

地球温暖化がこのままの状況で悪化すれば、その悪影響は取り返しのつかないほど壊滅的なものになる。モデルシミュレーション結果では、2100年には中国西部の氷河はその大部分が消失し、夏の北極の海氷も同時期までには消失する。これによりホッキョクグマ、アザラシ、セイウチ、海鳥などが、絶滅の危機に瀕する。そして地球温暖化は、今後数十年で森林伐採が進むアマゾンの熱帯雨林を、草原あるいは砂漠に変えてしまう危険性までも有している。

グリーンピースは、気候変動抑制政策は、産業革命開始時のレベルと比べて、2℃未満の気温上昇に抑制するものであるべきと考えている。これは、EU加盟国政府の主張と同様のものである。まだ今なら、経済的にも科学的にみても既知の技術を駆使して、この目標を達成する事は可能である。そして、モントリオールでの交渉結果が、これを実行可能なものにするかどうかを決定する。

グリーンピースはまた、京都議定書の次期約束(2013年-2017年)期間において現在の同議定書の約束を強化し、拡大することによって、地球温暖化抑制に不可欠な炭素市場への信用が向上し、低炭素技術への投資が進むものと見ている。そして、次期約束期間に関する交渉は、今年モントリオールで開始し、2008年までに完了させるべきである。

「対策を進めたいEUと、それを阻止したい米国の狭間に立つ日本が果たす役割は非常に大きい。今こそ、日本政府が交渉をリードし、意味ある京都議定書の次期約束期間を確立することに貢献すべきだ。ここモントリオールで、どっちつかずの態度をとることはもう許されない」と、グリーンピース・ジャパンの気候変動問題担当 中島正明は述べている。

「京都議定書を締結した156カ国政府は、温暖化防止に真剣に取り組む姿勢があることを示す義務がある。次期約束確立のための交渉を開始し、先進工業国はさらに大幅な温室効果ガス削減目標を立てるべきだ。私たちは、これからの世代にこの地球を受け継いでいかなければならない」と、ステファニー・タンモアは締めくくった。


関連URL

グリーンピースの若者ボランティアグループ「ソーラー・ジェネレーション」サイト

グリーンピース・カナダのCOP11/MOP1特設ウェブサイト

グリーンピース・ジャパン地球温暖化問題サイト


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気候変動問題担当 中島正明
広報担当  城川桂子