国際環境保護団体グリーンピースは、広島と長崎へ原爆が投下されてから60年を迎える今年、平和と核廃絶を願う世界の人々の思いを広島に届ける「平和の羽根プロジェクト」を開始した。

「平和の羽根プロジェクト」は、世界の各地から平和と核廃絶への思いを一本の羽根に表してインターネットを通して送信してもらい、そのすべてを白い鳩のバルーン(大型風船)につけて広島の空に飛ばし、原爆の被害者と被爆60周年記念日に集まった人々に届けようというもの。グリーンピース・ジャパンのウェブサイトで7月22日に日本語版が開始されて以降、現在までに、英語スペイン語の「平和の羽根」ウェブサイトが始まっており、すでに日本語英語スペイン語、ドイツ語、アラビア語を含む1400通のメッセージが世界各国から届いている。ドイツ語、ギリシア語のウェブサイトも一両日中にオープンする。

このプロジェクトはまた、世界から核をなくすためには、被爆国であり非核保有国である日本はプルトニウムを生産する核燃料再処理工場を動かすべきでないことも国内外に訴えており、副題を「ノーモア ヒロシマ ナガサキ ストップ 六ヶ所再処理工場」としている。NPTなどの核軍縮のために世界機構が実質的に停止しているこの時期に、日本政府が青森県六ヶ所の核燃料再処理工場の稼動凍結を選択することは、平和への大きなステップとなるとして、このプロジェクトに寄せられたメッセージは、小泉首相に届けられることになっている。

グリーンピースは、原爆が投下された日の前日、8月5日の午前8時に広島市の原爆ドーム前で「平和の羽根」イベントを開き、世界から届けられた平和の羽根を3メートル大の数羽の鳩型バルーンに付けて空に飛ばす。当日は、グリーンピース・インターナショナルの理事や各国支部の軍縮問題担当、核問題担当のスタッフなど総勢約20名が集合し、平和と核廃絶へのメッセージを読み上げる。オランダからは14歳から16歳の少年と少女がグリーンピース・オランダのスタッフとともに参加。オランダの人々に広島での体験を伝える予定。

今回、広島を訪れるグリーンピース一行は、8月4日に広島に入り、原爆資料館、平和公園を訪問する。8月5日に「平和の羽根」イベントを行ったあと、8月6日には広島市主催の平和記念式典に出席する。

「プロジェクト開始以来、本日現在で76カ国の人々からメッセージが届いている。広島に来れない世界の人々の平和への願いを、すべて鳩の羽に乗せて広島の空に届けるのがこのプロジェクトの狙いです」と、グリーンピース・ジャパン核問題担当の野川温子は語っている。

「平和の羽根プロジェクト」
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グリーンピース・ジャパン
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
核問題担当 野川温子
広報担当  城川桂子