先進8カ国首脳会議(G8)が英国スコットランド、グレンイーグルズで開幕される中、国際環境保護団体グリーンピースは、G8参加国指導者に対し、ブッシュ米大統領に敢然と立ち向かい、地球温暖化防止への前進的な態度を取るよう訴えている。

開催を前に、現在、京都議定書から離脱した米国による、気候変動の科学的認識等に関する見解を否定する動きが顕著になっている。英国ブレア首相は、これまでの8カ国全ての合意によるコミュニケ採択というG8 の慣習を覆し、米国抜きでの意義あるコミュニケ合意を目指す可能性があると伝えられている。

「気候変動問題に関し、もし米国の阻止行動により、全ての国々による適切な合意が難しいのであれば、米国以外の先進国による適切な合意を目指すことが、G8サミットの歴史でも例外的であるが、懸命な選択肢である」と、グリーンピース・インターナショナルのステファニー・タンモアは語っている。

グリーンピースは、日本を含むG8参加各国に対し、採択予定のコミュニケに以下の内容を含めることを主張している。

G8首脳が、気候変動の科学的証拠、その原因の大半が人為的なものであること、問題の緊急性を受け入れることを示す明確な表現

2013 年以降の炭素市場継続を確保し、大幅な排出削減を行うことを確保する、排出量取引を拡大した制度の実現を約束する明確な政治的シグナル

アフリカ諸国が気候変動の悪影響を緩和することの準備と実施を支援するために、持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)の実施計画を実施することへの合意

開発途上国の気候変動の悪影響に対する脆弱性を軽減することを確実にするための支援政策と措置への合意

グリーンピース・ジャパンは、6月17日に、G8サミットに関する要請書 ( 注1 ) を小泉純一郎首相に送り、コミュニケに盛り込まれるべき文言等について提言を行った。また、7月4日には、グリーンピース・ジャパンやWWFジャパンなどの環境NGO5団体が、共同声明 ( 注2 )を小泉首相に送り、会議の場で発言するべき内容について提案を行っている。

「小泉首相の発言がサミットの成果に与える影響は大きい」と、グリーンピース・ジャパンの気候変動問題担当 中島正明は述べ、「米国が適切な合意を拒絶し続けるなら、日本も米国抜きで意義あるコミュニケの採択を支持するべきだ」と付け加えた。

注1
「G8グレンイーグルズ サミットに向けた要請書」(2005/6/17 PDFファイル : 30KB)
「G8グレンイーグルズ サミットへ向けたグリーンピースの提言」(2005/6/17 PDFファイル : 22KB)

注2
「環境NGO共同声明 「先進8カ国首脳会議(G8サミット)直前 小泉首相への最後のお願い」(2005/7/4 PDFファイル : 109KB)

関連URL

グリーンピース・ジャパン地球温暖化問題サイト

「ウィンドフォース12」2005年度版発行 ~G8諸国は風力発電の普及促進の支援を!~

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