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【カナダ モントリオール】国際環境保護団体グリーンピースとケベック州農業者連合、カナダ全国農業連合、日本のNGO代表らは、5月30日からカナダのモントリオールで開催されているバイオセーフティー会議の参加各国に対し、遺伝子組み換え(GM)作物による環境汚染と健康への害に対する責任は遺伝子組み換え作物開発企業が取るものとする規則を採択するよう求めた。

グリーンピースらはまた、同会議開始前に、ステファン・ディオン カナダ環境大臣に、日本で自生しているカナダの遺伝子組み換え(GM)ナタネの入ったドラム缶を受け取るよう手紙で要請していた。これは、日本で自生しているGMナタネをグリーンピースが日本から運び、もともとの送り手側の責任者であるカナダの環境大臣に同会議開始直前に返却して、その責任の所在を明らかにしようというものである。

現在、遺伝子の組み換えられた種は、地球上の作物と環境を汚染している。環境団体や農業団体、市民活動団体は、遺伝子組み換え作物が登場した1996年当初から、こうした現象が起こることを予見しているが、これまでに5大陸の25カ国で50以上のGM汚染が報告されている。

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グリーンピース・インターナショナル
遺伝子組み換え問題担当 アキコ・フリッド(写真中)
〜 Greenpeace/

違法の未認可GM種による汚染は、メキシコのトウモロコシ汚染、中国のコメ汚染、ブラジルのダイズ汚染、タイのパパイヤ汚染、ヨーロッパのナタネ汚染、インドのコットン汚染、カナダのキャノーラ汚染などがあり、一番新しい事例として、日本のカナダ産GMナタネによる汚染がある。
「遺伝子組み換え有機体(GMO)の栽培を一度も望まなかった農家の農場やその周辺でGMOが見つかっている。こうした農家は弁償を受けることがないばかりか、逆に特許侵害だとしGM種子の企業によって訴えられ、企業側の弁護士に弁償金を支払うよう脅迫されている」と、グリーンピースの遺伝子組み換え問題担当のエリック・ダリエールは語っている。「製造会社や輸出業者が汚染責任を取るよう、各国政府が直ちに対処をしなければ、GM汚染の危険性はますます拡大していくことになる。これは時間の問題だ」と、エリック・ダリエールは警告した。

グリーンピースは、汚染の責任に関しての暫定的な制度と、GM汚染の被害にあった生産者、消費者、または環境に対しての弁償金制度を直ちに確立しなければならないと、同会議の参加者に強く要求している。

日本におけるカナダ産のGMナタネによる汚染は、カナダ政府がバイテク企業であるモンサントらと連座していることを証明するものである。カナダは未だ、バイオセーフティー議定書(カルタヘナ議定書)を批准していないばかりか、バイオセーフティー問題にかかわる国際的な努力を蝕むような試みを続けている。

ステファン・ディオン カナダ環境大臣はグリーンピースが手紙で招待した受け渡し場所に現れなかったが、日本から運ばれたGMナタネの入ったドラム缶はグリーンピース・インターナショナルの遺伝子組換え問題担当アキコ・フリッドにより、6月1日会議に参加しているカナダ政府代表団に渡された。

参考資料
「遺伝子組み換えナタネの汚染拡大を日本でも確認、原因はカナダ産」 (PDFファイル 302KB)
GENETICALLY ENGINEERED CANOLA CONTAMINATION ACROSS JAPAN (英語) (PDFファイル 302KB)

関連URL

グリーンピース・ジャパン プレスリリース (2005/5/24)
ストップ 遺伝子組み換えナタネ汚染 ~グリーンピースら、カナダ政府への要請~

バイオセイフティ議定書 : http://www.biodiv.org/doc/meeting.asp?mtg=BSWGLR-01 (生物多様性条約サイト)


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広報担当  城川桂子
グリーンピース・インターナショナル
遺伝子組み換え問題担当 アキコ・フリッド(在モントリオール)