国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、本日、「トヨタさん、これ『ECO』違反です。」と題したWebページをアップし、Web訪問者に「トヨタにもっと地球温暖化防止に取り組んでほしい」か否かを問う「投票」を開始した。このWebページでは、トヨタ自動車株式会社が他の日系自動車メーカーなどとともに米カリフォルニア州で同州の排ガス規制を取り下げるよう訴訟を起こしていることに関し、同社が宣伝している環境優先の姿勢に反しているとし、企業の社会的責任(CSR)を果たすため、訴訟を退けるよう訴えている。投票は「トヨタにもっと地球温暖化防止に取り組んでほしいですか?」に「yes」か「no」で答えて投票する仕組みで、投票結果は毎日Web上に棒グラフで発表される。

グリーンピース・ジャパンはまた、アメリカ時間の4月13日、世界各国の環境NGOとともに、カリフォルニア州で自動車からの温室効果ガス排出規制に対する訴訟を起こしているトヨタなど日系自動車メーカーを含む自動車会社に対し、訴訟の取り下げを求める要請書を送付した。要請書を送ったグリーンピース・ジャパンを含む53のNGO ( 注1 ) は、日、米、独など14カ国 ( 注2 ) 、600万人以上の市民を代表している。

要請書では、15万人の米国国民が直接に訴訟の取り下げを求めていること、すでに欧州やカナダ ( 注3 ) で温室効果ガス削減を行うことに自動車会社が合意していることなどを指摘。その上で米国でもカリフォルニア州の規制を実施することは可能であるとして訴訟から撤退することを求めている。また、2500億ドル以上を握る株主と10兆ドルの資産規模を持つ機関投資家が、財政リスクと温室効果ガス削減計画について公開するよう要請した事例を挙げ、企業活動に温室効果ガス削減を組み入れないことは、経営リスクを高めると主張している。日本では先月、グリーンピース・ジャパンを含む環境NGOがこの件に関し共同声明を発表。トヨタなど日本の自動車メーカーに対して訴訟からの撤退を求める活動を開始している ( 注4 ) 。

「京都議定書から離脱しているアメリカにあって、カルフォルニア州の排ガス規制への決断はアメリカの明日を切り開くものだ。日本の代表的な企業であるトヨタがその決断を妨害しているのは残念だ。世界の声を聞いて、直ちに訴訟を取り下げるべきだ」と、グリーンピース・ジャパンの気候変動問題担当 中島正明は語っている。

グリーンピース・ジャパンの「トヨタさんこれ『ECO』違反です」サイトでは自社カーを運転する奥田会長に加州知事シュワルツェネッガーが、「エコ違反」と停止を求める挿絵がついている。なお投票は5月20日まで続けられ、グリーンピース・ジャパンはトヨタに最終投票結果を知らせると共に、訴訟の取り下げを要請する予定。

「トヨタさん、これ『ECO』違反です。」Webサイト

要請書 (英語 PDFファイル : 31KB)
ニュースリリース INTERNATIONAL GROUPS TO AUTOMAKERS:DROP LAWSUITS AGAINST CALIFORNIA GLOBAL WARMING LAW (英語 PDFファイル : 110KB)


注1 これら団体の詳細は「資料: 米国の自動車会社に対する要請書(英語) 」を参照。

注2 オーストラリア、カナダ、チェコ共和国、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、日本、ラトビア、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、イギリス、アメリカの14カ国

注3 先週カナダでは、カリフォルニアの規制基準に近い自動車からの温室効果ガス削減に関する合意がカナダ政府と自動車会社の間で締結された。この合意は、2010年からの新規自動車からの温室効果ガスを約20%削減するというもので、適用する技術についてもカリフォルニアの規制と同様のものが挙げられている。

注4 グリーンピース・ジャパン プレスリリース「 トヨタ等日系自動車メーカーの温暖化対策を批判 ~グリーンピース・ジャパンなど米国加州での訴訟問題に関する声明を発表~ (2005/3/25)」参照


関連URL
グリーンピース・ジャパン京都議定書発効関連サイト

グリーンピース・ジャパン「ポジティブエネジーで行こう」サイト

グリーンピース・ジャパン地球温暖化問題サイト


お問い合わせ
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気候変動問題担当 中島正明
広報担当  城川桂子