原子力安全・保安院が、今月14日、日本原燃(株)に対し、六ヶ所核燃料サイクル施設の再調査を求めたことを受け、グリーンピース・ジャパンなど国内の反原発NGOで構成する「再処理止めよう!全国ネットワーク(以下「再処理とめよう!ネット」)は、本日、日本原燃(株)、青森県知事、原子力安全・保安院に対し、六ヶ所再処理工場で行われているウラン試験の即時中止を求める申入書を提出した。
日本原燃(株)の六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)は安全上問題がないとして、昨年12月に青森県や六ヶ所村などが日本原燃と安全協定を結び、昨年末からウラン試験が開始された。しかし、今月14日になり、原子力安全・保安院は日本原燃が行う核燃料サイクル事業のうち、高レベル廃棄物ガラス固化体を貯蔵する施設に関して、冷却性能の解析調査を命じた。

調査を命じられた施設は、青森県六ヶ所村に建設中のガラス固化体の貯蔵施設など4ヵ所。再処理の過程で生じる非常に放射能の強い液体廃棄物は、ホウケイ酸ガラスと混合されたガラス固化体として、最終処分が可能な温度に下がるまでの50年間、貯蔵施設で空冷される構造になっている。

しかし、原子力安全・保安院の指示を受けた日本原燃が、改めて正しい計算法を用いたところ、中心の最高温度が624℃に達する危険性があった事が判明した。ガラス固化体は500℃前後に達すると、結晶化する恐れがあることも指摘されており、今回の計算間違いは、最終処分までに放射能漏れを引き起こすなど、重大な事故につながる可能性があった。

「再処理とめよう!ネット」は、再解析をこれまで命じなかった原子力安全・保安院、そして冷却機能の欠陥が重大な事故につながりかねないにも関わらず、日本原燃との間に安全協定を結んだ青森県の責任を追及し、ウラン試験の中止を日本原燃へ求めるよう要請した。

グリーンピース・ジャパンの核問題担当野川温子は、「日本原燃の安全性に対するずさんさは、今回の計算間違いに象徴されている。これまできちんと評価してこなかった青森県や国の責任は重い。今すぐ安全協定を撤回し、ウラン試験の即時中止と工場全体の安全性を再確認するよう求めるべき」と述べている


原子力安全・保安院への申入書(14KB:PDFファイル)
日本原燃への申入書(15KB:PDFファイル)


関連URL
グリーンピース・ジャパン核問題Webサイト

サイバーアクション 青森県でのウラン試験を止めるために


お問い合わせ
特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800  FAX 03-5338-9817
核問題担当 野川温子
広報担当  城川桂子