【アムステルダム発】 ついに、ロシア議会が京都議定書を批准した。これによって気候変動防止のための議定書発効に必要な条件が揃った。

「私たちは将来、今日の日を人類が事実を受け入れた記念すべき日として振返ることになるだろう。しかし、これで危険な気候変動から世界が救われた訳ではない。一刻も早く科学者の意見に耳を傾けた方がいい。私たちに迫っているのはいわば巨大な津波だが、今すぐに行動を起せば、犠牲となる人々や絶滅する動植物、そして消失する生息域の数を減らすことができる。」とグリーンピースの気候変動政策アドバイザーのスティーブ・ソーヤーは述べた。

気候変動が危険な大災害をもたらし始めるのは、地球の平均気温が産業革命前に比べて2℃上昇した時点だということで専門家の意見は一致している。気候変動による甚大な被害を防ぐには、まず2020年までに温室効果ガスの総排出量を1990年のレベルにまで引き下げて、そこから今世紀半ばまでにさらに50%の削減を達成しなくてはならない。工業国は今世紀半ばまでに75%以上削減するという目標を設定し、2020年までには、京都議定書の基準年である1990年比30%以上の削減を達成することが必要だ ( グリーンピース ブリーフィング ペーパー 「気候変動:どこまで進んだら危険なのか?」 を参照)。

「京都議定書の発効は、日本に法的拘束力の伴った削減義務が生じることを意味する。日本政府は気持ちを新たにし、不十分な日本の地球温暖化対策を大幅に強化するべきだ。そして、これからは危険な地球温暖化を防止する取り組みにおいて、日本政府が率先して国際社会をリードすることを期待する。日本に地名を冠した議定書は京都議定書だけだ。その名誉に恥じない対策を講じなければならない」とグリーンピース・ジャパン気候変動問題担当の中島正明は語っている。

今、気候変動の脅威と有権者の声を真剣に受け止めるアメリカの自治体や、京都議定書が尊重されている世界市場で活動する多国籍企業などのあいだでは、ブッシュ政権離れが始まっている。エクソン・モービル社に代表される巨大石油会社(メジャー)から巨額の寄付金を受け取っているブッシュ大統領は、2001年に京都議定書の批准を拒否して以来、気候変動に対する実効的な対策の実行を頑なに拒んでいる。

「京都議定書が発効することになった今、残された問題は、気候が変わる前に政治家が変われるかどうかだ。」と、グリーンピースのスティーブ・ソーヤーは語っている。

ブリーフィング ペーパー「気候変動:どこまで進んだら危険なのか?」

関連URL
京都議定書温度計 –気候変動に関する国際連合枠組条約

気候変動の科学、影響に関して –IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

政治背景情報に関して –気候変動に関する国際連合枠組条約

京都議定書条文(英語) –気候変動に関する国際連合枠組条約


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