大型の台風23号が日本に接近し、台風の年間最多上陸記録を更新しようとする中、環境保護団体グリーンピースは本日午後、東京渋谷の街頭で地球温暖化対策強化を日本政府に訴える記者会見を行う。 この記者会見で、グリーンピースは台風の激化と地球温暖化の進行が関係している可能性を市民に伝え、日本政府に対して自然エネルギー利用の促進策と、地球温暖化対策の強化を訴える。

グリーンピース記者会見
時間  午後5時~6時
場所  東京渋谷駅ハチ公口前広場
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今年9月上旬に上陸した台風18号は、日本の台風年間最多上陸記録を塗り替え、今回の台風23号(とかげ)が日本に上陸すれば今年日本に上陸した10個目の台風となり、過去の最多記録を大幅に更新する。また、台風23号が超大型と呼ばれたように台風の大型化の傾向も顕著になっている。

台風の強大化については気候変動問題の権威である気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、「熱帯低気圧の最大風速が増大する可能性は高い」と、すでに警鐘を鳴らしており、米国海洋大気庁は「台風とハリケーンの増加は海水温度の上昇に原因がある」と今年初頭に予告している。台風の発生地域である太平洋の海水温度の上昇は広く報道されている。また、日本の科学者による研究では、温暖化が起こると台風の発生件数は減少するものの、最大風速45 m/s を超えるような強い熱帯低気圧の出現頻度は逆に増える。実際、前回上陸した台風22号でも、史上最高の最大瞬間風速67.6mを記録し、IPCC等の指摘する変化の傾向と一致している。

日本政府は地球温暖化が異常気象を誘発し、洪水や土砂崩れなどによって日本国民の間にも大きな経済損失や社会的な被害が出ることを認めている。しかしながら、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量は、1990年比で7.6%も増加しており、日本政府の自然エネルギー利用促進策や地球温暖化対策が不十分であることを示している。日本政府は、太陽エネルギー、風力などの自然エネルギーの無駄ない利用を促進することで、温室効果ガスの大幅な削減をすぐに行う必要がある。そして、危険な気候変動を防止するために、中期的に更なる削減を達成するための積極的な目標値を設定する必要がある。特に、グリーンピースは日本政府に対し、以下の3点を要請している。

補助金増加を含む真剣な取り組み姿勢を示すことで太陽光エネルギーの利用を促進させる
風力発電の大幅な拡大
化石燃料と原子力発電への補助金を自然エネルギーへと充てる
「異常気象による被害は日本や世界中で広がっている。小泉政権は太陽光発電のような自然エネルギーを促進し、地球温暖化ガスの排出量を削減することによって京都議定書を実現していかなければならない」とグリーンピース・ジャパン気候変動問題担当中島正明は語っている。

この件に関するお問い合わせ:
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話03-5338-9800
FAX 03-5338-9817
気候変動問題担当 中島正明
広報担当   城川桂子


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