王子製紙ブース前でのアピール 〜 Greenpeace/Sutton-Hibbert

本日より東京ビッグサイトで開催されている「2004東京国際包装展」で、国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、オーストラリア・タスマニアで保護が求められている原生林から産出された木材チップを購入している王子製紙グループのブース前で、「Warning! 王子製紙は原生林を破壊しています!」と書いたフロアサインスタンドを並べ、来場者に原生林破壊に加担しないよう訴えた。

アピール行動に参加したのは、グリーンピース・ジャパンのスタッフとボランティアの合計8人で、 王子製紙グループのブース前に、同社がタスマニアの原生林を破壊的に伐採して作られた木材チップを使用していることを表示したフロアサインスタンド6脚を並べ、来場者に原生林破壊に加担しないよう警告した。

[写真]王子製紙ブース前でのアピール グリーンピース・ジャパンは、これまで王子製紙に対して三度にわたって要請文を提出し、タスマニアで行われている原生林の破壊的伐採への対策を取るよう求めてきているが、同社は全く対策をとらず、木材チップの購入を継続している。オーストラリアでは、タスマニアの原生林保護を求める数千人規模のデモなどが数度にわたって行われており、また、今週末にオーストラリアで行われる総選挙ではタスマニアの原生林伐採停止の必要性が最も注目される環境問題として取り上げられている ( 注1 ) 。こうした現地の伐採反対の声を無視して、王子製紙は購入を続けている。

「王子製紙が原生林破壊に加担している事実を王子製紙の購入企業や消費者に知ってもらい、原生林破壊に加担しない選択や要求を行う行動をとってもらいたい。これは、購入企業が原生林破壊に加担しないようにとの警告でもある」と、グリーンピース・ジャパン森林問題担当、尾崎由嘉は語っている。

タスマニアの原生林の伐採は、オーストラリア最大の天然林伐採企業であるガンズ社 ( 注2 ) によって進められている。伐採される原生林のうちの約90%は、日本企業 ( 注3 ) が購入しており、中でも王子製紙は、ガンズ社の主要な購入企業のひとつで、国内の製紙産業界の首位企業でもある。


グリーンピース・ジャパンは、現在、日本製紙、王子製紙、三菱製紙、およびオーストラリア政府に対してタスマニアの原生林保護を電子メールで訴える「サイバーアクション」への市民の参加を呼びかけている。これまでに、14,000通以上が送付されており、三菱製紙は、今年5月12日、「植林木あるいは来歴が明確な二次林材へ可能な限り速やかに切り替えます」とグリーンピース・ジャパンに回答している。

[写真]王子製紙ブース前でのアピール
〜 Greenpeace/Sutton-Hibbert

注1 オーストラリア総選挙に向け、次期候補政党からタスマニアの原生林保護計画が取り上げられている。
参考サイト: http://www.voteenvironment.com.au/

注2 ガンズ社: 本社オーストラリア、タスマニア州。世界で最も破壊的に広葉樹の伐採を行っている企業のひとつ。タスマニアでも原生林を破壊的に伐採し木材チップを毎年約500万トンもの天然林からの木材チップを生産・輸出している。そのほとんどが日本向けである。オーストラリアの環境保護団体やタスマニア住民の7割が伐採に反対の声をあげてきているがこれらの声を無視して、原生林破壊を継続している。

注3 タスマニアで伐採される原生林のうちの90%は、日本の企業が購入:大王製紙、中越パルプ工業もガンズ社から木材チップを購入している。また、輸入を行う商社は、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、三菱商事など。


タスマニア伐採企業から木材チップを購入している日本企業からの反応



関連URL
・グリーンピース・ジャパン 森林問題サイト

お問い合わせ
◆グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話03-5338-9800
FAX 03-5338-9817
森林問題担当  尾崎由嘉
広報担当     城川桂子