【アムステルダム発】国際環境保護団体グリーンピース・インターナショナル(本部・オランダ)は、森林破壊を行う世界最大の伐採企業のひとつ、リンブナンヒジャウ社(Rimbunan Hijau)の弁護士から、名誉毀損の申し立てを行う旨を伝える書簡を8月に受け取った。同社はグリーンピースに対して、同社の破壊的な森林伐採を調査告発したグリーンピースのレポート 「 The Untouchables – Rimbunan Hijau’s world of forest crime & political patronage 」(2004年2月刊)を発行したことについての謝罪、同レポートの出版の停止、同レポート入手者の名簿の提出を要求している。
しかし、グリーンピースはこれらの要求に応じない旨をただちに表明した。

グリーンピース・インターナショナルは、これまで、同社の森林破壊行為を調査レポートなどによって暴露してきた。上記調査レポートでは、世界8カ国で伐採事業を行うこのマレーシア系伐採企業リンブナンヒジャウ社の汚職や破壊的行為を明らかに示している。同社は、パプアニューギニアでの伐採事業の多くを支配し、そのほかにもガボン、赤道ギニア、マレーシア、バヌアツ、インドネシア、ニュージーランド、ロシアで巨富を築いた世界最大規模の森林伐採企業だが、違法行為や重大な環境破壊が確認されているほか、人権侵害や汚職に関しても告発されている。

一方ニュージーランドでは、リンブナンヒジャウ社の子会社ランバーバンク社(The Lumber Bank)が、ニュージーランド木材輸入協会(NZTIA)を相手に訴訟を起こしているが、これは、ランバーバンク社が同協会の伐採規定を遵守していないことを理由に今年5月に同協会から除名されているため、その損害賠償と協会への再登録を求めているものである。

「リンブナンヒジャウ社は、訴訟という脅迫手段によって、自身への批判を封じ込めようとしている。しかし、グリーンピースは、主張を撤回する考えは全くないし、一歩も後に引くつもりもない。私たちは、このレポートの内容が事実であることが法廷で証明されると確信している。」とグリーンピース・インターナショナルの顧問弁護士、ジャスパー・ツゥーリングは語っている。

また、グリーンピース・オーストラリア・パシフィック、森林問題担当のステファン・キャンベルは、「リンブナンヒジャウ社は、グリーンピース本部とニュージーランドの木材輸入協会を脅すことによって、森林破壊の数多くの証拠を隠滅しようとしている。同社が、パプアニューギニアなどで行っている行為を真摯に改めようとしない限り、グリーンピースは、森林破壊という犯罪を続けるこの巨大企業を告発し続けていく。」と、語っている。


The Untouchables – Rimbunan Hijau’s world of forest crime & political patronage



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