国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、ペットボトル入りビールの販売を表明しているアサヒビール株式会社(以下、アサヒビール)に対し、かねてより、環境負荷などについての質問を送っていたが、今日までに回答がないことなどから企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:CSR)能力が欠如しているとして、「CSR失格大賞」を授与することを本日決定した。受賞者であるアサヒビールに対しては、表彰状と副賞として同社製品スーパードライのスタイニーボトル空き瓶5本を贈呈する。このリターナブルなボトルには、環境に良い取り組みを継続・拡大してほしいとの消費者からのメッセージを込めた。

これまでの経緯
アサヒビールは2004年7月8日にペットボトル容器入りのビールを販売すると発表した。
これに対しグリーンピース・ジャパンは、ペットボトルビールの販売が地球温暖化やごみ問題の悪化につながると懸念し、7月12日付けで大手ビールメーカー5社(アサヒビール株式会社、キリンビール株式会社、サッポロビール株式会社、サントリー株式会社、オリオンビール株式会社)に公開質問状を送付。アサヒビール以外の4社からは回答期限の7月26日までに「ペットボトルビールの販売を検討していない」との回答を得た。しかし、アサヒビールは8月上旬までの回答延期を希望。その期限である8月10日には9月上旬までの回答延期を再度希望。さらに、自ら予告した9月上旬の期限さえ守らずに昨日9月13日の夜になって回答期限も明記しない3度目の回答延期を一方的にFAXで伝えてきた。

また、グリーンピース・ジャパンは当初から、面談希望を電話で伝えているが、アサヒビール側は「回答がまとまるまではお会いできない」(環境社会貢献部)と面談を拒否している。

ペットボトルビールの販売に関しては、グリーンピース・ジャパンだけでなく消費者団体、廃棄物問題に取り組む市民団体からも公開質問状が届けられている。また、グリーンピース・ジャパンが展開しているサイバーアクションやWeb投票では、合計1141通(9月14日現在)の一般消費者からの意見が寄せられるなど消費者の関心は非常に高いが、それらの意見に対してもアサヒビールは回答していない。

グリーンピース・ジャパンの有害物質問題担当の佐藤潤一は「アサヒビールグループの『CSRレポート2004』には『お客さまとのコミュニケーションを企業活動に反映しています』とは記載されているが、コミュニケーション自体が行われていないことが今回明らかになった。『CSR失格大賞』受賞を真摯に受け止めてほしい。」と述べた。

グリーンピース・ジャパンは、他の消費者団体、環境保護団体と連携を広げながら、アサヒビールのペットボトルビール販売見直しを訴えていく。


グリーンピース「ペットボトルビールはまずいでしょ!」キャンペーンサイト

ビール容器のペットボトル化についてビールメーカーへの公開質問状

アサヒビール、3回目の回答延期FAX(原文を含む)

「ペットボトルビールに賛成?反対?」Web投票サイト


関連URL
グリーンピース・ジャパン ゼロ・ウェイストサイト


お問い合わせ
グリーンピース・ジャパン
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電話 03-5338-9800  FAX 03-5338-9817
有害物質問題担当  佐藤潤一
広報担当  城川桂子