― 脱原発しかない-

長崎にプルトニウム爆弾が落とされた同じ日付の今日、関西電力美浜原子力発電所の事故で4人の尊い命が奪われてしまった。4人の方の冥福を心からお祈りする。しかし、この事故は防げたのではないかという思いを払いのけることができない。関西電力株式会社に対し、大きな怒りを感じ、糾弾する。事故のあった美浜発電所3号機は1976年12月1日に運転開始をした古い原発だ。これまでも不具合が幾度となく報告されてきた。関西電力の安全対策は万全だったのか? 万全だったはずはない。

関西電力は今年、所有の火力発電所の安全データねつ造事件を起こしたばかりだ。関西電力には、施設を安全に運転する能力も資格もない。通常の原発より技術的困難のあるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の使用などもってのほかである。

関西電力株式会社の発表によれば、本日15時28分、原子炉が自動停止し、引き続きタービンが自動停止したという。そして、タービン建屋内に蒸気が充満し、11人の負傷者を出し、8人が病院に運ばれ、4人が死亡したという。しかし、環境への放射能漏れはないという。我々は即座にこれを信用できるだろうか?

現在、国は、原子力開発長期計画の見直しを進めている。しかし、そこで話し合われているのは、原発の使用済み核燃料の再処理をどうするかどうかであり、原子力の推進は前提である。原子力の推進は安全の確保が前提だが、はたして原子力の安全は確保されているのだろうか?

これまでの日本の原子力に関わる歴史を見る限り、原子力の安全は確保されているとはいえない。
それどころか、電力自由化や、再処理に巨額のコストがかかることからコスト削減への要求は高まり、定期点検の短縮など、コスト削減のために安全性が犠牲にされているのである。 これ以上、犠牲者を増やさないためには、脱原発しかない。

核問題担当 鈴木かずえ
グリーンピース・ジャパン
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