国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、本日、ビールメーカー大手5社(アサヒビール株式会社、キリンビール株式会社、サッポロビール株式会社、サントリー株式会社、オリオンビール株式会社)に対し、ビール容器のペットボトル化についての公開質問状を送付した。この質問状は、アサヒビール株式会社がビール用ペットボトルを開発し、今年中に新商品を販売するとのニュースリリース ( *注1 ) を7月8日付けで発表したことを受けて、その実態を調査するために送られたもの。今回の調査を行うグリーンピース・ジャパンは、ビール容器のペットボトル化を行うことが、廃棄物問題の悪化やエネルギーの非効率な利用につながるのではないかと懸念している。質問状への回答期限は7月26日(月)としており、グリーンピース・ジャパンはその回答をWebサイトで公開する予定。

一般廃棄物の分野では、製品が廃棄物となった際の生産者の責任が少なく、法律上処理を任されている自治体の責任が大きい。そのため、生産者が安易に”リユースやリサイクルが技術的にも経済的にも難しいもの”を製造し、廃棄物増大やエネルギーの無駄を引き起こしていることが問題となっている ( *注2 )。

今回の公開質問状では、ビールメーカーの自社製品に対する拡大生産者責任の考え方、ペットボトルのエネルギー浪費性という面に関して、7つの質問を取り上げている ( 質問状 )。

「拡大生産者責任(EPR:Extended Producer Responsibility)の徹底がごみ問題の解決には必須だ。びん・樽ビールは模範的な例で、中身だけを販売し、びんはメーカー所有物として回収・リユースすることで廃棄物の発生抑制ができている。ペットボトルや缶などもびんや樽と同様に回収する方法を模索すべきで、それができていない現段階で、自治体にさらなる負担を強いるペットボトル化を進めることは、廃棄物問題の悪化につながる」と、グリーンピース・ジャパンの有害物質問題担当、佐藤潤一は述べている。

グリーンピース・ジャパンは昨年より、企業の生産者責任の強化による廃棄物の発生抑制を進めて「ごみをゼロに」するゼロ・ウェイストキャンペーンを開始している。今後も消費者や市区町村に協力を求め、生産者に拡大生産者責任の自主徹底を訴えるだけでなく、国や県にはその徹底を規定する法律や条令を制定すべきというキャンペーンを行っていくことにしている。


公開質問状本文


*注1
アサヒビール株式会社のニュースリリース
http://www.asahibeer.co.jp/news/2004/0708.html

*注2
容器包装リサイクル法の問題点については、以下を参照
「容器包装リサイクル法」改正に向けて、署名活動にご協力を!


ゼロ・ウェイストセミナー2004 in 大阪 7/22-24

関連URL
グリーンピース・ジャパン ゼロ・ウェイストサイト


お問い合わせ
グリーンピース・ジャパン
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電話 03-5338-9800  FAX 03-5338-9817
有害物質問題担当  佐藤潤一
広報担当  城川桂子