「2020年までにごみをゼロにする」という日本初のゼロ・ウェイスト宣言を昨年9月に行った徳島県上勝町が環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」の対象地域として選定され、6月15日に正式発表された ( 注1 ) 。これは同町の「ゼロ・ウェイストアカデミー設立」案などが「環境と経済の好循環を地域発の創意工夫と幅広い主体の参加によって生み出すまちづくりのモデル」として評価されたものである。グリーンピース・ジャパンは、この環境省の決定と、ゼロ・ウェイスト宣言を具体的に実行に移している上勝町の努力を歓迎する。

今回のゼロ・ウェイストアカデミー設立への動きが、上勝町のゼロ・ウェイスト宣言を具体化する政策の大きな推進力となることが予想され、今後ゼロ・ウェイストが上勝町に留まらず県内外にも広まることが期待される。

グリーンピース・ジャパン有害物質問題担当の佐藤潤一は「上勝町の2020年を目標とした積極的な取り組みは、世界中から注目を浴びている。ゼロ・ウェイストアカデミーという実行機関ができることはグリーンピースが呼びかけてきたゼロ・ウェイストの考え方が実際に日本で具体化していくことを意味している。他の自治体にゼロ・ウェイストの考え方がさらに広がり、独自のアイデアでごみ行政の改善を図って欲しい。」と述べている。

ゼロ・ウェイスト政策とは、中央主導の焼却を中心としたごみ処理政策とは違い、地方自治体による地域主導の政策である。上勝町の「2020年までにごみをゼロ」というような高い目標を定めることにより、地域のごみ分別等の意識を高めるだけでなく、生産者責任の徹底によるごみの発生抑制を促進するごみ政策である。

グリーンピースは、世界的にこのゼロ・ウェイスト政策を推進しており、特にオーストラリア、イギリス、日本で自治体などに積極的に働きかけてきた。日本では、昨年7月に、全国市区町村にゼロ・ウェイスト宣言をしてもらうように働きかける「日本縦断ゼロ・ウェイストツアー」を行い、アメリカのセントローレンス大学教授であるポール・コネット博士と上勝町を訪れた。この訪問で「脱焼却、脱埋め立て」と題した講演会を開き、それが上勝町のゼロ・ウェイスト宣言のきっかけとなった。


注1
平成16年度「環境と経済の好循環のまちモデル事業」の対象地域決定について(環境省)


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