グリーンピース・ジャパンは、本日、FoE Japanや環境エネルギー政策研究所など、他の環境・開発NGOとともに、経済産業大臣、外務大臣、環境大臣に対し、自然エネルギー国際会議 ( 注1 ) への積極的な参加を求める申し入れ書を、郵便およびFAXで送付した。 「自然エネルギー国際会議2004」は、自然エネルギーに関する会議としては過去最大規模のもので、ドイツのボンで今年6月1日から4日にかけて開催される。世界各地で開催されている準備会合の中で数値目標に関する議論が進むなど、会議に向けた気運が高まっている。

しかし、2002年のヨハネスブルグ・サミットで自然エネルギー導入数値目標の合意を阻止したことのある日本政府は、この自然エネルギー国際会議に対して消極的な態度を続けている。自然エネルギー促進のための国際ネットワークであるJREC(Johannesburg Renewable Energy Coalition:ヨハネスブルグ自然エネルギー連合)にも加盟をしていない。

グリーンピース・ジャパンは、申し入れ書の中で、今回の自然エネルギー国際会議は、国内の自然エネルギー市場拡大への前向きなシグナルを送るという意味で、国内における自然エネルギー促進のための絶好の機会であり、自然エネルギー促進のためには事業者の参入を促し、市場拡大を実現させることが必要であるとしている。こうした観点から、日本政府のこれまでの国際対応は不十分であったとし、同会議へ積極姿勢を示すことは重要であるとしている。

また、自然エネルギー国際会議へ閣僚を派遣すること、2020年までに20%以上の自然エネルギー利用を達成する数値目標に合意すること、JRECに加盟すること、そして、途上国での化石燃料、原子力、そして水力事業の中で環境社会面に悪影響を及ぼすプロジェクトへの資金支援を段階的に廃止することを、日本政府に求めている。

「気候変動はすでに現実のものになってきている。そして、自然エネルギーがもたらす経済・社会的な利益を考えても、自然エネルギーを促進させる必要性と日本社会からの期待は高まっている。今回の自然エネルギー国際会議は、自然エネルギーの普及のための絶好の機会である。日本政府は、日本国内での自然エネルギー利用を促進させていくためにも、この会議への前向きな貢献を行うべきだ。」と、グリーンピース・ジャパンの気候変動問題担当 中島正明は述べている。

グリーンピース・ジャパンは、自然エネルギー国際会議開催中には、担当者を派遣し、ドイツ・ボンの現場から、日本政府の行動や会議の動向を報告する。


注1:自然エネルギー国際会議
「自然エネルギー・サミット」とも呼ばれるこの会議は、ヨハネスブルグ・サミットでの欧州連合の呼びかけに呼応する形で、ドイツ・シュレーダー首相が開催を約束したもの。この会議に向けて。ドイツ環境省と経済協力開発省が中心となってドイツ政府が全面的に関わっており、国際的には各国政府や国際組織、非政府組織などで構成される国際運営委員会(ISC)や、南米、アフリカ、アジアなどでの地域会合などが進められている。JREC(ヨハネスブルグ自然エネルギー連合)やREEEP(自然エネルギーとエネルギー効率化のためのパートナーシップ)なども、補完的ながらこの会議に関わってくる。


申し入れ書 「自然エネルギー国際会議への積極的参加を!」

グリーンピース・ジャパン 自然エネルギー国際会議特設サイト

自然エネルギー国際会議2004(International Conference for Renewable Energies Bonn 2004:英語)

関連URL
・地球温暖化問題Webサイト(グリーンピース・ジャパン)


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