【パリ/フランス 2004年2月5日】 グリーンピースのウェブサイトで使用したエッソのトレードマークをもじったロゴの使用差止めをエッソがフランスの裁判所に申立てていた件について、2月4日、フランスの法廷でグリーンピースは勝訴した。パリ地方裁判所は「グリーンピースのパロディーロゴは表現の自由の許容範囲内である」として、エッソの商標権侵害の訴えを最終判決で退け、これに対しエッソが控訴しなかったため、グリーンピースの勝訴が確定した。今回の判決は、2003年2月に出された 中間判決 と同様に、(ウェブ上の)表現の自由は商標権に優ることを示したものである。(「Esso」は、エクソン・モービル社の名称の一つ。フランスではエッソ社)

この裁判は、緊急課題である地球温暖化問題に取り組むこと拒否し、かつアメリカ政府などに働きかけ世界的な取り組みを妨害している同社に対して、強い批判を届けるための『Don’t Buy Esso(エッソをボイコットしよう)』キャンペーンでグリーンピースが、エッソ社のロゴにある「S」2文字をドル記号「$」に見立ててE$$Oとしたパロディーロゴを考案して使用したことに対し、同社が、グリーンピースの「STOP Esso」ウェブサイトはエッソの公式サイトであるかのように「顧客を困惑させる」ものであると主張し、商標権の侵害であるとして2002年7月にグリーンピースを告訴していたもの。同社はさらに、このパロディーロゴが、かつてのナチス親衛隊SSのシンボルを想起させ、エッソにナチスのイメージを重ねようとするものだ、などとも主張していた。

グリーンピースは、ブッシュ大統領が気候変動対策の国際交渉から米国を離脱させて以来、巨大石油企業エッソ(エクソンモービル)社の関与と問題を指摘し続けてきた。

「エッソは各国政府の気候変動への取り組みを妨害するために膨大な資金を支出している。また、米国を京都議定書から離脱させたブッシュ大統領の判断にも同社は決定的な影響力を行使してきた。エッソは、この裁判は楽勝だとみていたようだが、彼らの読みは誤っていた。今日の判決は、批判の声を黙らせるためには手段を選ばない企業に対して、気候変動対策を求める市民活動が勝ち取った新たな一歩と言える。」 と、グリーンピース・インターナショナルのキャンペーナー、アニータ・ゴールドスミスは語っている。

グリーンピースは『Don’t Buy Esso(エッソをボイコットしよう)』キャンペーンで以下のようなエクソンモービル社の環境破壊的活動を指摘している。

エッソ(エクソンモービル)社は

これまで地球温暖化対策のための政策議論、科学的議論をことごとく歪めてきた。

大統領選のときジョージ・ブッシュの選挙運動に巨額の献金をしている。

ブッシュ政権が米国の京都議定書離脱を宣言して最大の恩恵にあずかった。

アラスカ沿岸の雄大で美しい自然環境をいまだに回復しないほどに破壊したエクソン・バルディーズ号原油流出事故を起こした会社である。

世界の温室効果ガス総排出量の5%をたった1社で排出している会社である。

環境保護運動にたずさわる世界中の人々から「世界最悪の環境破壊企業」という”称号”を与えられてボイコット運動のターゲットになっている。

他の石油メジャーと異なり、再生可能エネルギーへの投資をしていない。


関連URL
・地球温暖化問題Webサイト(グリーンピース・ジャパン)
・Stop Esso キャンペーン(グリーンピース・ジャパン)
・Stop Esso キャンペーン(グリーンピース・インターナショナル:英文)
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地球温暖化問題担当  関根彩子
広報担当  城川桂子